ダイエットの話

「オハヨーゆうきチャ…ってなにしてんのォ」
「おはよう泉田さん、大丈夫?」
「…おはよう荒北…と、新開さんか…」
「体調悪ィのォ?」
「うう…」
「あ、もしかしてあれ?泉田と喧嘩したってやつか?」
「ウッ」
「なんで新開知ってんだヨ」
「朝練で泉田が変だったから聞いたんだよ」
「アイツ変だったかァ?」
「筋トレの回数減っててさ」
「すげェどうでもいいわ。んで、何で喧嘩したんだヨ」
「朝ごはん食べなかったの…」
「ハ?」
「昨日測ったら体重増えてたから、今日朝ごはんいらないって言ったらちゃんと食べないとダメですって言われて」
「へー…(すげーどうでもいい)」
「口論になってたら時間ギリギリだし、塔一郎はロードだから余裕だけど私ママチャリなのに…」
「でもちゃんと食わなきゃダメだぜ泉田さん。どう?パワーバー食う?」
「ダイエット中にお腹ふくれる?ヤツ?」
「バァカ逆だヨこんだけで高カロリーなんだヨ」
「新開さん喧嘩売ってる?怒るよ?」
「泉田さん厳しいな。でも泉田が怒る気持ちもわからなくないぜ」
「食べなきゃいけないのはわかってるよ…塔一郎食生活には厳しいし…」
「ていうかこれ以上痩せる必要ないだろ?ちょうどいいぜ」
「今までのがキープできなかったのが問題なの!」
「つーか見た目そんな変わってねェヨ気づかねェって」
「お腹周りがやばいの!」
「へえ、じゃあ見せて」
「新開黙ってろマジで」
「新開さん…」
「やっぱオレのこと嫌いだな泉田さん」

ガラッ

「姉さん!!!」
「っ、塔一郎」
「うわー暑苦しィ」
「弟の登場だな」
「姉さん、朝は頭ごなしに怒ってすみませんでした…。でもあれは姉さんのことを思ってのことなんです。許してもらえませんか」
「わ、私こそ塔一郎がそういうのしっかりやってるっての知ってたのに…ごめん…」
「わかってくれて嬉しいです。これ、姉さんのために買ってきたんです。」
「バナナ?」
「バナナだな」
「バナナだね」
「ダイエットしたいっていうのはわかるんですけど、やっぱり心配で。ユキに怒られて気づいたんです。ボク、女の子の気持ちって全然わかってませんでした…」
「ううん…これからダイエットするときは塔一郎に相談するね。だから食事制限手伝って!」
「もちろんです!無理なダイエットは禁物ですよ」
「うん!」

「なんかコイツら見てっとウゼェバカップル見てる気分になるのオレだけェ?」
「気持ちはわかるぞ靖友」
「仲良しすぎてキモイよな」
「それよりオレははやく泉田さんに両手で持ってバナナ食べて欲しいんだけど」
「お前マジで死んできたらァ?」


140109

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -