「とうどーおまたせーって…寝てる?」

東堂を教室に待たせていたらいつの間にか寝ていたらしい。
私の机に突っ伏して、口元は腕で隠れている。
まつげが長い。多分私より長い。
スリーピングビューティって、森が寝るんじゃなかったっけ。こいつが寝てんじゃん。
綺麗だな、自称美形なだけあるわ。
つーか肌綺麗だし。ニキビとかないし。
デコ出してるとやっぱり綺麗になるのかな、前髪が当たると良くないて言うけど。
ていうかもう5時じゃん早く起きろよ帰りたいんだけど。
またせたの私だけどさ。

「東堂ーおきてー」
「…」
「とうど、山神ー森の忍者ースリーピングビューティー」
「……」
「じ、じんぱちー…」

恥を忍んで名前で呼んだのに、起きないか。
仕方なく揺らそうとしたらくぐもった声が聞こえた。

「スリーピングビューティはキスで起こすもんだぞ」
「起きろ忍者」
「痛い!」

前髪のぴよっと出た部分を引っ張った。
起きてたんかい、無理矢理起こすと嫌そうな顔をされた。

「なまえちゃんは厳しいな」
「うっさいうっさい帰ろ忍者」
「だから忍者はやめろ!」
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