※RIDE.299の盛大なネタバレ含みます。









高校に上がって寮に入った幼馴染が実家にしばらく帰ってくる、らしい。
久々に会おうとメールがきたその日は小躍りして寝付けず、まだ帰ってくるのは先だというのに浮かれてしまっていた。
だからだろうか、日付を間違えてしまったらしい。幼馴染――隼人が帰ってくる一日前に新開家を訪ねてしまった私は今、新開家のリビングに通されていた。

「すいませんね、兄貴が日付間違えたみたいで」
「いや……こっちこそ、出直すべきなのにごめんね」
「いいんすよ。オレもなまえ先輩とこうやってゆっくり話したかったんで」

ローテーブルを挟んで向かい合わせになったソファに座る彼――隼人の弟、悠人くんは、頬杖を付いてにっこりと笑った。
顔のつくりは二人ともよく似ていて、それこそ瓜二つだというくらいなのに、悠人くんは笑うとかわいらしい印象を受ける。年齢が3つ離れているせいかもしれない。……いや、隼人が笑ってもこんなにかわいくないな。
出してもらったジュースに口を付け、グラスを傾ける。新開家には男の子ばかりなのに、そのグラスにはかわいらしい花模様が散りばめられていた。
お母さんのものなのだろうかと思ったが、向かいに並ぶ悠人くんのグラスも同じ柄だ。セットで貰ったのかもしれない。

「美味しいですか?それ」
「ん?……うん、美味しいよ。悠人くんは飲まないの?」
「いやぁ……確認してからちゃんと飲みますよ」
「確認?」

突如、視界の中の悠人くんが歪む。違う、まわっているんだ。
ジェットコースターから降りたあとの気持ち悪さが身体を遅い、思わず口を押さえて前かがみになる。
私の様子を心配して、前から隣のソファに移動してきた悠人くんが私の背中を優しくさすって、凭れかからせてくれた。

「大丈夫すか?」
「う、うん……ちょっと気分が、どうしたんだろう」
「そりゃ大変っすね……ベッドいきますか」
「……え?」

なんで?と聞き返す間もなく、背中をなでていた手が背中を持ち上げ、もう片方の手が膝裏に回った。
あっという間に抱きかかえられ、とんとんと階段を上がっていく。
ぐわんぐわんと回る意識の中で抵抗することも出来ずにつれてこられたのは『ゆうと』とネームプレートのかかった部屋で、男の子の部屋にしては綺麗なそこのベッドに私を横たえると、悠人くんはまたにっこり笑って顔を近づけた。

「兄貴に無理言って一日帰省を遅らせてもらってよかった、こんなに簡単だなんて思わなかったすよ、なまえ先輩」
「ゆ、うと…くん?」
「ちょっと寝ててくださいよ、起きたころには世界変わってますんで、ね」

その言葉を合図にするかのように、意識が水面下へ沈む。このときの私はまだ何も予想していなかったのだ。あんなことになってしまうなんて。




キャラつかめてない上に勢いのままで書いたし内容が酷い
きっとオメンマンはもっといいやつ…。
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