「新開くんってさ、好きな人いるの?」
「突然だな」
「いや、ちょっとウワサを聞いて。あの人気者の新開くんに好きな人がー!って…で、どう?」
「いるかいないかで答えたほうがいいかい?」
「そりゃ、まぁ」
「だったら、いるよ」
「やっぱりウワサは本当なんだ」
「まぁね、隠すことでもないさ」
「…ちなみに」
「ん?」
「お相手とか聞いてもいい?」
「…それ、みょうじさんが聞くのかい」
「え、だめ!?」
「ダメというか」
「やっぱり仲イイ人にしかい、えない…よね、うん、ごめん…」
「みょうじさん?」
「き、気にしないで!別にそんなに知りたかったわけでもないから!」
「それはそれで傷つくなぁ」
「じゃあ嘘!すごい気になるけど、新開くんが言いたくないならいい!」
「言いたくないってわけじゃ…ないけどね」
「そ、そうなの?」
「ああ」
「じゃあの…どんな人かだけでも聞かせて」
「どんな人か?」
「うん」
「そうだな…一生懸命で、いつも笑顔だな…いや、笑顔が多いんだけど、色んな表情をする子だ」「表情豊かなんだ」
「そうだな、そこが…すごくカワイイと思うよ」
「新開くんあんまり表情かわんないもんねー」
「…そうかい?」
「うん、なんかいつもスーンってした顔してる…」
「初めて言われたな、そんなこと」
「え?!ごめん、悪い意味で言ったわけじゃ」
「嫌ってわけじゃないさ。…みょうじさん、オレのことよく見てるね」
「そりゃ…」
「そりゃ?」
「仲イイし!」
「………うん」
「で、それで、他は?容姿とか!」
「容姿…は、すごくかわいいよ」
「じゃあモテるんじゃない?」
「どうだろう、オレはそう思ってるんだけど、本人が気づいてない気はするな」
「え?鈍いの?」
「ああ、鈍いよ」
「天然?」
「はは、そうかもな…」
「ふうん…ってことはその子、新開くんに好かれてるのに気づいてないの?」
「そうだな、全く気づいてなさそうだ」
「あ、アピールとかはしてないの?」
「してるさ、これでもってくらいにね。尽八にもやりすぎだって言われたよ」
「そんなに!?でも気づかないんだ…すごいね」
「正直お手上げだよ」
「し、新開くんにそう言わしめるって、すごい子だね…」
「うん、すごい子だ。……すごい、好きだよ」
「…?う、うん、そうだね」
「それでさ、誰かわかった?」
「え?」
「オレの好きな子」
「うー……佐々木さん?」
「違う」
「あ、山内さんだ!あの子天然ってよく言われて、」
「違うな」
「っじゃ、じゃあ…隣のクラスの」
「違う。…みょうじさん、もしかして態とやってる?」
「え?わ、わざとって?」
「本当はわかってるんじゃないのか?」
「わ、わかんないよ…」
「本当に?」
「うん…だ、だって新開くんがそんな…好きに、なる子なんて」
「みょうじさん?」
「もし…もし分かってたら…もっと早くに、」
「……」
「いや、なんでもない…うん、へんなこと聞いてゴメンね」
「みょうじさん」
「私もう行…新開くん?」
「オレの好きな子、知りたい?」
「し…り、たい」
「…いいよ、教えてやる」
「うん………」

「今目の前にいる、天然で一生懸命で、表情豊かで天然な…みょうじさんだよ」

バキュン





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