「卒業だね荒北くん」
「あー、ソだな」
「えっと…ここにいて、いいの?自転車部のひとたちは、」
「後で飯行く約束してるし、別にィ」
「他のお友達…」
「なまえチャンはオレになまえチャンとチャリ部以外の友達いるとおもったワケェ?」
「あ、う…はい…」
「ッチ」
「(うわー怒ってる!卒業式に怒らせた!)あ、荒北くんごめんね」
「何で謝ンのォ?」
「いやその、怒ってらっしゃるようだった、ので」
「なまえは相手が呼び捨てだったら自分が悪くなくても謝るのかヨ」
「そういうわけでは…ないけど」
「じゃー謝ンな」
「はい…すいません…」
「ハァァ…」
「すっ、すいま…あっ、ちが、えっと、そうじゃなくて!悪くないです!私!」
「ブッ」
「わ、わらわないでよ!もー、な、なに!」
「いやァ、なまえチャンはバカだネェ」
「バカ…かな?!わかんない、頭はそこまで悪くもないと…」
「そゆ意味じゃねーヨ」
「どゆ意味?」
「フツー、二人きりで教室残っててさァ、友達ンとこ行かねェの、なんて言わねーダロ」
「そう…なのかな」
「それともなまえチャンはさぁ、オレと二人っきりが嫌なワケェ?」
「嫌ではないです!むしろうれし、あっちが、普通です!」
「普通って」
「ちが、えっと、荒北くんとは、その、えーと、なんていうか」
「オレはさァ、嬉しいヨ」
「え?」
「こーやって、最後に二人で話できて、ナ」
「それは…とても、光栄なこと、ですね」
「なんでかわかるゥ?」
「えーと、荒北くんが私のお友達…だからですか」
「ちげーよ」
「違いますか…」
「…ッ、好きだカラァ」
「え?」
「なまえチャンのこと、好きだから、嬉しいんだヨ」
「え、あの、すき、すきですか」
「そ」
「そうだったん、ですか…」
「そうだったんだヨ」
「あの…」
「何ィ」
「おそろい、ですね」
「はあ?」
「私も、荒北くんのこと…好きで、よかったら、その、迷惑でなければなんですけれども」
「…」
「第二ボタン…もらえませんか、ブレザーだから心臓とか近くないってのはわかってるんですけど、ほしくて」
「なまえチャン」
「もちろん、他にあげる人がいるなら断ってくれても、」
「第二ボタンだけでいいのォ?」
「え」
「オレはさァ、なまえチャンにはオレごと貰ってもらいたいんだケドォ」
「……もらっても、いいんですか」
「イイヨ」
「あのじゃあ…遠慮なく、いただきます………」
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