「寒咲さん、大人って楽しい?」
「楽しいけど、辛いよ」
「なんで?」
「嫌なこともしなきゃいけないからな」
「嫌なことってあるの?」
「そりゃ…まぁな」
「好きな自転車やさんしてるのに?」
「お客さんにもいろんな人がいるんだよ」
「私みたいな人とか?」
「なまえちゃんみたいなお客さんはいくらでも来てほしいんだけどな」
「どんな人がいやなの?」
「…それはナイショ」
「ふーん、でもお金もらえるんでしょ?」
「まぁ仕事だからな」
「じゃあいいんじゃないの?」
「なまえちゃんはお金貰ったら嫌なこと何でもするか?」
「物による」
「そういうことだ」
「たとえば?」
「…好きでもないヤツと付き合うのはなまえちゃんも嫌だろ?」
「寒咲さん好きじゃない人と付き合ってるの?」
「そういうわけじゃない。たとえ話だな。オレがお金やるからなまえちゃん付き合って、って言ったら困るだろ」
「困らないよ」
「…え?」
「っていうか、私寒咲さんとなら、お金貰わなくても付き合ってもいいよ」
「そういうことはあんまり言わないほうがいいんじゃないか」
「だって、嘘じゃないもん。あ、こういうこと言ったっていうの、幹ちゃんにはナイショね」
「…言いたくても言えないな」
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