想い気持ちと空の色






部活のヤツ、主に寿一、尽八、靖友とは休日も一緒にいるだけあって仲が良くなる。
クラスは一緒になったことないけど、話に聞く分にはいろいろ知ってるし、オレもいろいろ知られてる。
だから、なまえのことを聞かれるのは時間の問題だとなんとなく思っていた。

「一度くらい会ってみたいなそのみょうじちゃんとやらに」と尽八が言ったのは、マキちゃんになまえの昼を預かってくれと頼まれる直前だった。
なんてタイミングだ。さっきの話なんだけど、と三人にメールすればもちろんOK。
靖友はそんなことないだろうけど、寿一がちょっと興味持ってるの、なんとなく察してたんだぜ。

部活の話をすると元から言っていたものの、いざ昼食となってもつまらない思いをさせてしまった。
申し訳ないなとは思ったけど、ぽやんとした顔でオレたちがメンバー決めをしてるのを見るなまえはちょっとかわいい。
黒田とか、泉田の名前が出るたびにちょっと反応するんだよな。
チラチラ見てたら寿一に集中しろと言わんばかりに睨まれたけどさ、かわいいだろ?この子って顔したら目線を逸らされた。

やっとうまく行きそうなメンバーを決め終えてなまえを見ると目で「やっぱ私邪魔でしょ」と訴えられた。
そんなことないけどな、チラチラ見るのも楽しかったし。
さみしくないと騒ぐなまえを寿一は真剣に心配していてなんか面白い。
この組み合わせ、結構オレ的にアリだな。違う意味では、もちろんあげないけどさ。
イマイチ溶け込みきれないなまえを見兼ねて、尽八がみょうじちゃんの話をしようと提案した。
それから三人の口からぽんぽんと出てきたのは、オレが過去に語った武勇伝で。
案の定怒られたけど、赤い顔でぽこぽこ殴ってくるなまえを見るとなんかくるものがあった。
仕方ないだろ、かわいかったから話しちゃったんだって。
そこまではヘラヘラしてられたんだけど、突然なまえが顔を伏せてからは大変だった。
手のひらで顔を覆って、泣いてるフリだろうってのはもちろん分かってたけど、目の前でやられるとやっぱり罪悪感がある。
ごめんと謝ろうとすれば、奥の尽八と目が合って、にやっと笑った。
あ、何かするな。そう思った時にはもう遅くて、気がつけばなまえの肩が尽八に抱かれている。
オレが友達から始めてやっとそこまで触れるようになったのに、コミュ力があるやつってのはすごいな。でも今はそんなこと言ってられない。
なまえを宥めるようにする尽八と、困り顔ながらもすっぽり尽八の腕に埋まってるなまえにイライラした。
拗ねるなと尽八に言われて、オレってそんなに分かりやすかったっけ?ちょっと焦る。
遊びだってわかっててもムカつくもんだな、これって。

助け舟を出したのは靖友だった。
中間的な位置だから一番なまえの顔がよく見えたんだろうな。
確かに抱き寄せたなまえの顔は赤いのか青いのか、とにかくただ事じゃない顔をしていた。
尽八にクギさしとくべきだったと後悔した。
オレで慣れたにしても、なまえちゃんは男子が苦手なんだよ。
まぁ、このままオレ以外なら男子苦手でいてくれてもいいけどさ。
オレについては、もっと耐性つけて欲しいよ。照れるのも可愛いけど。

しばらくしてチャイムが鳴った。
その時は内心連れてこなきゃよかったなと思ったけど、のちのちこいつらにはなまえ関連ですごい世話になる。
持つべきものはやっぱり友だよ。
でもあんまりやりすぎると、鬼が出るかもな。尽八。





アリア様リクエスト、新開視点で自転車部三年との出会い!です
新開さん嫉妬の炎メラメラすぎますね。男の嫉妬は醜いぞ直線鬼
こんなものでいかがでしょうか?リクエストありがとうございました!
140102



「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -