オレの彼女は自分で言うのもなんだが、とんでもなくかわいい。
笑顔も仕草も天使のようで、この美形の心を射止めるのだから当然だが優しく可憐だ。
特に少し幼いところが可愛くて、すぐに拗ねたり笑顔になったり、コロコロ変わる表情が愛おしい。

「はぁ…今日もなまえちゃんは天使だ」
「まァた始まったヨ、東堂のロリコン」
「ナヌ?!ロリコンではないぞ!年の差と言ってくれ」

天使のような待ち受け画面を見られてから、一部の部活のヤツにはなまえちゃんのことを知られている。
オレがため息をつくたびまたなまえちゃんかと呆れられるが、ため息が出るほどなまえちゃんはかわいいのだ。
これを誰かにわかってもらいたいが、そうなればきっとそいつもなまえちゃんのことを好きになってしまうから、やっぱり理解できるのはオレだけでいい。独り占めしたいからな!

そして今日は、部活のたまの休みになまえちゃんの家を訪れている。
お母様は第一印象を完璧に植え付け、持ち前の美形で攻略済みだ。
だから、三つ年上の彼氏だというのに信頼され切っている。まあ、オレにかかればこんなものだ!
出かけてくるからというお母様をお見送りして、二人きりになった家の中。
なまえちゃんはそわそわしていて、どこか落ち着かなさそうだ。

「さあ二人きりだぞなまえちゃん」
「う、恥ずかしいからそういうこと改めて言わないで…」

まだ中学生だから、こういう雰囲気には慣れていないのだろう。
耳まで真っ赤にしてしまって、手に持った少女漫画で顔を半分隠している。
照れ隠しに漫画を読み始めたなまえちゃんを後ろから抱きしめて漫画を覗き込むと、驚いた。エロ本もびっくりなセックスシーン。
見られたことに気づいたなまえちゃんはオレの腕の中で暴れたが、オレも運動部の男子、そう簡単には離さんよ。

「ちょ、見ないでよ尽八くん!」
「まさかなまえちゃんがそんな過激な漫画を読んでいるとは…驚いたぞ」
「これは友達に借りたの!」

さっきより顔を真っ赤にして、するりと腕の中から逃げ出した。
その拍子に漫画が落ちて、なまえちゃんが拾う前に手にとって開くと、だいぶんぼかされているものの、やることはしっかりやっている。
ページを捲ると「もうやめて」となまえちゃんが取り返そうと近づいてきて、伸びてきた手を避けるように本を持ち上げた。

「ちょっと!」
「ワッハッハ届かんだろう」
「いじわるしないでよ!」

その言葉に妙にむらっときてしまったのはしかたないだろ?オレも男なんだぞ。
ドキドキしながらもこの状況、なかなか美味しいんじゃないか?なんてことに気づく。
エロい漫画を読んで、彼女がこんなに近くにいて、しかも家には二人きり。
まだ中学生とはいえ、こんなのを読んでいるんだから興味はあるんじゃないか?
生唾をごくりと飲む。
漫画を下ろすとなまえちゃんがすかさず奪い取ってきて、それを小学生の頃から使っているのであろう使い込まれた学習机の上に置いた。
ほっと息をつく間も奪うように、腕を引く。すっぽりとオレの腕の中に収まった身体は小さくて、だけどしっかりと女の子だ。

「じん…ん、」

唇を奪うと、素直に目を閉じるのが愛らしい。
ちゅっちゅと重ねるだけで幸せそうにするなまえちゃんは単純で、子供だ。
唇は重ねたまま、オレの手が向かうのは晒された太ももだ。
内腿を軽く撫でるとすぐに反応がある。もぞと動いたなまえちゃんをもう片方の手で抱き寄せ、抵抗できなくしてやった。
すりすりと撫でられる感覚がたまらないのだろう。キスの合間の吐息に熱が混ざっている。
ようやく解放してやった頃には目尻に涙が浮かんでいて、正直どんなグラビアアイドルやAV女優よりもエロい顔をしている。

「じん、ぱちくん…」
「そんなやらしい漫画を読んでいるからな。おしおきだぞ」

まだ脚しか触ってない。触ってない。触ってないぞ。
罪悪感を感じて自分にそう言い聞かせ、この状況を知りもしない部活の面々に言い訳した。
本音を言うとめちゃくちゃムラムラしているし、このまま襲ってしまいたい。
だけど、いつ何が起きてもいいようにと財布に忍ばせたゴムを使うのは今じゃない。
相手はまだ中学生、中学生だ。
せめて16になってからとオレの中で決めている。手は出さんよ。
しかしこのままでは治まりつかないので、トイレにでも逃げ込もうと立ち上がると今度は逆に腕を掴まれた。
まだ赤い顔、幼い体に桃色の唇。

「これだけ、なの…?」

中学生というのは恐ろしい。
確かに、その頃のオレもそういうことには大いに興味があった。
だがここまで来てしまうとは。
押し倒されたなまえちゃんの驚いた顔に煽ったのはそっちなのだから謝らんぞとキスを落とす。
お母様が帰ってくるまであと1時間はある。
冷静にそんなことを考えながら、まだ発展途上の胸に手を伸ばした。



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