菊丸英二


 
あー・・・またこの年がきた。
私が視線を向ける先は
にっこにこで
バレンタインをもらった子にお返しをあげる人、
えーじ。
 
(まぁ・・・くれた物は返す子だけどさ・・・
 あれはみんな期待するよ)
 
えーじはその子のタイプに応じて
プレゼントを選ぶ
だからみんな、自分の好みをしってるんだと思い込む。
 

1年前の自分のように。
 
 
今年えーじにはあげなかった、
嫌味に大石くんにあげた。
そしたら
「大石よかったじゃん!蔵子ちゃんからもらえるなんて!」
 
まるで他人事。
その言葉に悲しくなって
走って逃げて、1ヵ月。
 
あれから未だにえーじと喋ってない。
 
いや、
えーじは話そうとしてくれてるけど
私はそれを拒否した。
 
話したいけど、
私の気持ちを知ってそうで恥ずかしいし怖い。 
 
 
 



その日の放課後、
突然えーじに声をかけられた
 
「蔵子ちゃん!」
 
「・・・」 
 
可愛くない私は
ふいとドアを向き帰ろうとする。
でも
えーじは先にドアへ回り道を塞いだ。
 
「なんで最近無視するの?」
 
「・・・なんでもない」
 
「バレンタインのこと?」
 
 
「・・・なんでもない」
 
「・・・オレの言葉がいやだった?」
 
 
「・・・違う」
 
「んじゃなにかにゃ?」
 
ちょっと顔をあげると
笑顔でこっちを見つめるえーじ。
 
 
「ちょ、ちょっと!」 
 
ふと気づくと私は泣いていた。
その笑顔が見たかった。
私に微笑んでほしかった。
1ヵ月つらかった・・・
 
いろいろな思いが脳を巡って
涙が止まらなかった。
 
 
「1ヵ月えらかった・・・
 えーじの笑顔みれなくて・・・
 意地はってごめんね・・・」
 
「何の意地?」
 
 
 
 
「えーじがスキなの・・・でもそれを知られたくなかったっていう意地」
 
 
真剣に言ったら
えーじは可愛く笑った。
 
「ははっ・・・オレら両想いだったんじゃん。」
 
 
 
 
え?

 
 
 
 
するとえーじはぎゅっと抱きついてきた。
 
「んふふー、もっと前にこうしたかったにゃー」
 
「・・・意味わかんない」
 
「にゃ?」
 
 
「意味わからない!」
 
「にゃ?」
 
「ちゃんと・・・言葉にして」
 
 
 
「んもー、1回しかいわないよ?」
「うん」
 
 
 
「蔵子ちゃんが大好きだにゃ」
 
えーじは耳元で囁く。
 
「わっ私も」
 
「知ってるーっ」
 
 
 
この甘い甘い一時は
一生続くと2人は信じてい
 
 
 
----
実はね大石に言われるまで気付かなかったんだにゃ・・・
は!?
蔵子ちゃん最近おかしくない?って
気付いてよ・・・
でも!そっからはちゃんと見たの!んで見てるうちに・・・////
・・・///、


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