神尾アキラ





「リズムにのるぜ!!」



いつも朝に聞こえるこの台詞、
最近は何故か帰りに聞こえる。

「かっ神尾くん…」
「よっ」

片手をあげて挨拶する神尾くんに少し照れる。

「なっなにしてんの?」

「今からストリートテニスのとこいくんだ!!」
「そっそうなんだ…
………橘さんに会いに?」


「え?」

「あ…なんでもない!!」


恥ずかしくなって
自分が何を言っているのかわからなくなって
ひとまずここを逃げ出すことにした



…が



すぐ神尾くんの手にとめられた


「いい逃げかよ、それよくないぜ」

「神尾…くん、」


「おれは杏ちゃんに会いにいってるんじゃない
純粋にテニスをしに…」
「うん、そうだよね…ごめん」


沈黙が走る私達の空気は
ほんとにおもいもので今すぐにでも逃げ出したかった

「うん……ごめん…それじゃ」

「ストップ!!」








「俺が最近なんでこの道通ってるか知ってる?」

そっそんなこと…

「知るわけないじゃん!!」





「おっおまえのことがすきだからだよっ!!」












…え?




「…………嘘」

「あぁ…言ってしまった」

「ほんと!?」

「…あぁ」







ちゅ






「……………!」

「ほっほら!!今日ホワイトデーだし」

「あたしバレンタインあげてない!!」

「んっ」



神尾くんはほっぺをこっちに向けてくる

「えっそんなの無理!」

「んっ」

「ん〜…」








ちゅ




「なにすんだよ!!」

「だって神尾くんが!!」



『あははははは』








私達のリズムはいまでも加速中です





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