4 理想と現実





あの部員の前で言った言葉と
今、目の前にある段ボールの山を見て
私は本当に引っ越すんだと現実に戻される。
 
昨日のお母さんの言葉が夢だったらいいのに、
いや、昨日自体夢だったらいいのに。
 
 
 
 
コンコンッ
「リョー子ちゃん!
 いるものといらないものわけといてね
 いるものはそこの段ボールにね
 いらないものはゴミ袋ね!」
『・・・はーい』
 
気のない返事をして
嫌々部屋の整理を始めた。
 
 
 
『・・・あっ、これ・・・』
 
去年、、
全国大会で優勝して
部員みんなで撮った写真。。
 
・・・ゆっきーめっちゃ決め顔。。
あ、柳なんかまだおかっぱ時代だ
うわ、真田絶対こっちの髪型のがいいよ、、
『・・・なつかしっ・・・っ・・・』
 
写真の上に涙が落ちる。
 
『ふぁっ・・・やだぁっ・・・あぁ・・・』
 
 
 
プルルルル・・・
 
突然ベッドの上の携帯が鳴る
画面を見ると・・・
 
『・・・ぶ、ブン太?・・・っ』
 
声を直して通話ボタンをおす。
 
 
コホンッ
『・・・っもしもし?』
「・・・ブン太だけど、今、どこ?」
『え?今?・・・家だけど』
「・・・今いっていい?」
『え、うん。別にかまわな・・・』
ブチッ
 
 
・・・え?
・・・何、こいつ。。
 
訳がわかんなくて
ぼーっと携帯とにらめっこしていると
また携帯が鳴る。
・・・また、ブン太。。
 
 
『もしも・・・』
「ついた。」
ブチっ
 
・・・は?笑
え、これ何?喧嘩うってんの?
 
一言いってやろうと思い、
玄関にでると・・・いない。。
 
『えっ、なにこのドッキリ感。。』
 
門のところまででてみると
門に隠れてしゃがんでいた。
 
『うわっ、驚かせないでよ。。
 で、何なの?』
 
 
私もしゃがんでブン太を同じ目線になる。
するとブン太の手が私の頭を優しく持って
近づける。
そして、私の唇とブン太の唇が重なった。
 
 
『・・・え?』
「・・・」
 
驚いて何も言えない。
え?
何してんのこいつ。。。
 
「オレさ、ずっと前から、、
 1年のときからお前が好きだ。
 突然こんなことしてんごめん。
 返事、6日後、きかして。」
 
ブン太は寂しい笑顔をして
去っていく。
 
 
『え・・・ちょ、ちょっと・・・
 意味、わかんない。。』
 
 
 

意味わかんなさすぎるよ、、
ブン太が、、私のこと好き?
・・・ありえないよ。。
いろんなことがこの2日ありすぎて・・・
もう、、考えられないよ。。
 
 
私は解決できないまま
部屋に戻り眠りについた。
 
 
 
あと・・・6日。



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