3 決意の前



 
 
 
・・・オレはどうしたらいい?
 
 
<ブン太side>
 
 
 
さっきのリョー子の話しを聞いて、
オレはあせっていた。
 
は?
リョー子が引っ越す?
大阪に?
来週にはいない?
・・・バカじゃねぇの
 
「・・・なんでだよ・・・」
 
部員がよろしくおねがいします≠チて言った時
オレ一人だけ言えなかった。
オレ一人だけ現実を受け止められなかった。
 
「情けねぇ・・・」
 
 
 
 
「丸井先輩!」
「・・・」
 
聞きなれた声がして振り返ると
赤也が手をふってこっちにくる。
 
「今からレギュラーでリョー子先輩の
 お別れ会の計画しようとしてたんスけど・・・」
「お別れ会・・・ねぇ。オレパス・・・」
 
オレは苦笑いしかできず
帰ろうとすると赤也に止められた。
 
「えっ、ちょっと!
 に、、逃げるんスか!」 
「・・・」
 
 
は?
こいつ何いってんだ?
オレが逃げる?
赤也にはオレが逃げているように見えるのか?
 
 
 
 
「逃げて・・・ねぇよ」
「丸井先輩、
 リョー子先輩のこと、好きなんでしょ?」
「・・・なにいってんだよ、
 ・・・赤也には関係ねぇよ」
 
 
「ありますよ。オレ、、
 先輩にこくりましたもん」
 
驚いて赤也の方を見ると
赤也は真剣な目でこっちを見る。
 
 
「このままにしとくと
 オレが奪いますよ?」
 
 
「何言ってんだよ!!」
 
 
我にかえると
オレは赤也の胸倉をつかんでいた。
 
「・・・・・・悪かった」
「・・・」
 
 
オレは頭を抱え込みその場にしゃがみこんだ
 
「オレはちゃんと伝えましたよ。
 ・・・フラれちゃいましたけどね・・・」
 
ハハッといって苦笑いする赤也。
 
「オレは・・・」
「何もしないままはよくないと思います・・・よ?」
「・・・」
 
「じゃ、
 オレはこれで。
 ・・・あっ!明日も部活の後、計画するんで
 明日こそは来てくださいね?」
 
 
前を見るともうそこには赤也の姿はなかった。
さっきの赤也の言葉を振り返ると
赤也の方がオレよりも何歳も年上に思えた。
 
「・・・ったく、どっちが先輩だよ。」
 
 
オレはただただ現実を受け止められなくて
挙句の果てには後輩にまで言われて・・・
 
 
「かっこわり・・・」 
 
 
オレは、、
立ち上がって足を進める
 
 
       ・・・もちろんリョー子のところへ


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