平助くん、私平助くんと結婚しようって約束したよね。覚えてる?確か幼稚園の時かなあ。あの時は本当は結婚なんて分からなかったよね。でも結婚ってことが何なのか今ならわかるんだ。ずっと一緒にいたいなってお互いに思える人と幸せを掴むためにするんだよね。そして、愛していますってことを誓うために。私いま実は好きな人がいるの。お付き合いもしてるんだ。平助くんもよく知ってる人、斎藤先輩。斎藤先輩は優しくて可愛いんだよ。少し厳しいところもあるけど、それも含めて斎藤先輩が好きなの。結婚、とまではいかないと思うんだけど、もしかしたらって期待してる私もいるの。だから平助くん、幼稚園の時の約束が守れません。本当にごめんね、私よりもいい人が絶対にいるよ。


「っていうメールが…来ました…」

「え、平助に?」

「ほかに誰にくるの…」

「まあ、そうだよね」

「しかもはじめ君だぜ…」

「…あ!平助、はじめ君!」

「ままままままじで?えっ!どうすればいいの?」

「どうって、普通にすればいいじゃない。はじめくーん!」

「わっ!ちょ!馬鹿じゃないの!なにしてんの!」

「どうしたお前たち。呼んだか?」

「うん、あのね平助が言いたいことがあるみたいだよ」

「何だ?」

「あの、えっと。その、何て言うか、あのですね。えっと、何て言うかそのえっとあの!」

「もおお!平助腹立つなあ!もう言っちゃいなよ」

「ああああもう!分かったよ!なんかね、千鶴がねはじめくんとお付き合いしてるんだって!それで千鶴ははじめくんと出来れば結婚なんて夢見てるんだってさ!オレと幼稚園のとき結婚しようって約束してたのにだよ!ねえ!はじめくん!わかってるの!オレは悲しいよ?けど、幼馴染の、愛する千鶴の為だったらあきらめるよオレは!で、もしはじめくん以外だったら確実に許さなかった!オレは!でもはじめくんだから許す!幸せにしてあげてね!」

「よくできました」

「オレは悲しいぜ?ここまできて失恋なの?良かったオレ受験生じゃなくて!今受験生だったら確実に浪人したね。こんな悲しい気持ちで受験なんて無理だもん!」

「な、なんか申し訳ないな。千鶴は俺が大切にしよう…」

「そうしてよもう!オレ千鶴の幸せだったら何でもいいよ!」



(まあまあ、平助には絶対いい人いるって)
(誰だよ!言ってみてよ!)
(んー僕とか?)
(いや、オレそういうのじゃないので)
(嘘に決まってるじゃない!そんな風な目で見ないで!)


20110416
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