俺は今、猛烈にとまではいかないが、苛立っている。周りの、俺以外のやつからしたら「どうでもいいこと」に分類されるであろうことで怒っている俺だが、苛立ってしまうものは仕方がない。そう、俺が何故苛立っているか、というとやな。


「謙也おはようさん」
「おお、白石!おはよう!」


これや!これなんや!何で俺は謙也ってよんどんのに、あいつは白石なんや!あほか!なんかずるいわ!


「な、なあ。謙也くん?」
「お?何やねん」
「いや、まあなんでもないんやけど」
「ほお?まあええけど」


ちゃ、ちゃうねん!何でもなくないねん!お、俺のこと蔵ノ介って呼んでくれって言うだけやねん…何で言えへんねん…


「お、おい!何でもなくないわ!」
「何やお前!朝からうっさいわ!」
「堪忍な。少し言いにくいんやけど、俺の事、「名前で呼んでくれへん?やろ?」
「は?何で…?」
「あ、違うん?はっ、恥ずかしいわあ…」
「や!それであってん!えっ、呼んでくれるん?」
「ああ、ええよ。蔵ノ介やろ」
「なっ!き、今日素直すぎるんやないか?」
「はあ?いつも通りやろ?なんや、今日うっとうしいなあ」
「夢やないやろか…」
「夢な訳あるかい!おめでとさん!」
「!?」
「プ、プレゼントは今日一緒に買いに行こう、な…!そんじゃあ…!」
「け、謙也!俺今ならどうなってもいい」


(いらだちなんてどこか行ってもうたわ!)


20110414

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