そのきれいな髪、きれいな目、きれいな唇、きれいな身体。僕は千鶴ちゃんの全てが好きだ。嫌いなところなんて一日中考えたって思いつかない。やはり好きなのだから優しくしてやりたいと思うのだが、なかなか難しいもので。つい、苛めてしまう。でも好きな人ほど苛めたいってよくあることだよね?僕も例外じゃないってこと。でも実際千鶴ちゃんとはお付き合いしている訳ではない。そんなことを考えていたら目の前には千鶴ちゃん。 「沖田先輩、おはようございます。」 ああ、僕はその可愛い声も好きだ。ずっと聞いていたいくらい。 「おはよう千鶴ちゃん、あれ今日平助は?」 「ええと、平助君ならあとから遅れてくるって言ってましたよ。」 「また寝坊?平助らしいね。」 ふふっ、っとその可愛らしい声で千鶴ちゃんは笑う。ああ、僕はそれを聞いてるだけで幸せだなんてどれだけ千鶴ちゃんが好きなんだ。これは一種の病気じゃないかって思ってしまう。いっそ、好きだと言ってしまおうか。 「千鶴ちゃん、」 「はい?」 「もし、だけど僕が君のこと好きだって言ったらどうする?」 「へっ?ど、どうって」 あはは、焦ってる焦ってる。そんなところも可愛いよ。 「どうなの?」 「か、からかわないでください…!」 からかわないでください、かあ。僕は本気なんだけどなあ。どうしたら信じてくれるのかな、千鶴ちゃんは。 「からかってなんかないよ。僕は本気。」 そしたら顔真っ赤にして今度は黙ってしまった。あれ、言い過ぎたかな。…でもその可愛い顔が見れたから今日はいいや。 「あはは、ごめんね千鶴ちゃん。今日はここまで」 「へ?」 「あ、ごめんごめん。こっちの話」 今日はここまでだけど、これから先はそろそろ僕も本気で行かないとね。だから千鶴ちゃん、覚悟しててよ? 恋とは難しいもので、 20100311 |