好きなやつがいる。
まだ何も言ってないし、言えねえ。生徒と先生が恋人同士になるなんて許されないだろう。それに俺のことなんてどうも思ってないかもしれない。

「千鶴おはよう」

そんなことを考えていたら、朝から千鶴に会った。ドキドキはしない。けれど、好きだっていう気持ちはある。ああ、今周りにいる女子生徒が千鶴だったらな。そうしたら、俺は少しは気持ちを伝えられるのだろうか。

「おはようございます、原田先生」

「おー、今日も頑張れよ」

先生である以上、他に何も言えないし他に言うことなんてない。何か特別な事を言ってやりたいが、生徒と先生という関係なのだからそれは不可能だ。けれど、こんな風に声をかけるのは千鶴だけだ。
そうんなことを思いながら少し千鶴の方を見てみると、何だか元気がないみたいで。

「ん、千鶴どうしたんだ?元気ないじゃねえか」

「え、そんなことありませんよ」

そんなことないって言っても、何だか元気がなさそうで。心の中では千鶴の話を聞いてやりたいと思うのだが、なかなかそうはいかない。

「大丈夫ですから!それじゃあ、私教室いきますね」

「そうか?無理するなよ」

大丈夫じゃなさそうだが、千鶴が大丈夫って言うんだったら、きっと大丈夫なんだろう。でも何か変な気持ちがする。ああ、俺もそろそろ千鶴にこの気持ちを伝えるべきなんだろうか。出来れば伝えてしまいたい。けれど、今は教師と生徒という関係が邪魔をする。だったら、卒業するまで待てばいいじゃねえか。俺が我慢できたらだが。だから、それまで誰も好きになるなよ、千鶴。


(お前を俺の横に立たせてやれるまで待っててくれよ)


20110310

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