好きな人が、いる。
まだ私の想いは伝えてないし、伝えられない。だって、生徒と先生が恋人同士になるなんて許されないでしょう?それに先生は私のことなんて生徒としか思ってないだろうな…。

「千鶴おはよう」

今日も朝から出会ってしまった。すごくドキドキする。原田先生は格好いいし優しいからいつも周りには女の子がたくさんいる。これには馴れたはずなのに。どうして悲しくなるのかな。

「おはようございます、原田先生」

「おー、今日も頑張れよ」

私以外の生徒にもこんな風に声かけてるのかな。先生なんだから当たり前だよね。気にするのはやめて言われた通り頑張らなきゃな。

「ん、千鶴どうしたんだ?元気ないじゃねえか」

「え、そんなことありませんよ」

駄目ですよ、原田先生。そんな私個人にそんなに気にかけたら。私はすごく嬉しいけれど、周りの女の子たちがきっと嫌でしょうから。

「大丈夫ですから!それじゃあ、私教室いきますね」

「そうか?無理するなよ」

原田先生に軽く頭を下げてから小走りで教室に向かう。嬉しいけれど、すこしだけ悲しくなる。そんな朝を迎えるのは少し悲しい。けれど、この気持ちは伝えられない。だから、ずっと私はこの気持ちを隠しておこう。いつか、言えるときがくるまで。


(私が好きだと言ったら原田先生はなんて言うんだろうか)


20110310
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