「なあ、光。私蔵と付き合うことにしたんよ。せやから別れて」

「あ、そっすか。俺も今から言おうと思ってたんすわ。別れよ」

今日はエイプリルフールである。昨日から今日はいつも余裕な光に少しだけ意地悪をしてやろうと楽しみにしていたのだが、まさか光から別れようなんて言われるとは思ってなかった。だってあの光が、である。みんなの前ではクールだけど、2人のときはもうすごい甘えたさんで先輩大好きっすわなんて言ってたあの光が。いやまさかやろ…!

「そ、そうか。ちょうど良かったやん」

「俺次先輩の友達と付き合うことにしたんや」

「へ、へえ。良かったやん、おめでと」

え、っと?そんなこと一言も聞いてへんよ?え、なになに。あの二人そんな仲やったん…?だって学校ではそないなそぶり見せてへんかったやん。

「…先輩どうしたんすか?何か焦ってへん?」

「そ、そんなことないわ!じゃ、じゃあな」

「おん。ほんじゃ」







「ってなってなんか別れてしもうたんですが。」

「ちょ!何してんねん、財前!謝ってき。嘘やったって」

「俺かてそうしたいんすわ。せやけど先輩になんて言ったらええねん」

「素直に言えばええねん。ほんまは嘘やねん大好きやねんて言って来い」

「どアホー!なに言っとんねん!お前はそこでしまいや光。」

「うっさいっすわ、謙也さん。なんですの?」

「残念やったな!そないなこと聞いて俺が黙ってるとでも思っとんのか!あいつは俺がもろたで!こないなチャンスめったにないわ!光より先に行ったる。浪速のスピードスター舐めるんやないで!」

「はあ…謙也さんには無理や。ヘタレやし」

「うっさいわ!俺は「財前はよ行き。このヘタレは俺が止めとくわ」

「おおきに、白石部長。ほんじゃ、俺謝ってきますわ。謙也さんは来ないでくださいね」



すれ違い
(せ、先輩。さっきの嘘やねん。エイプリルフールの嘘や。)
(ほ、ほんまか…?じ、実はな私のも嘘やってん)
(お互い様やん。せやけど先輩騙せて楽しかったっすわ。それと先輩嘘下手やわ)
(う、うっさいわ!しゃーないやろ!せやけど嘘で良かったわ。大好きやで光)
(何言うてんねん。俺も好きっすわ。)


20100401

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -