「なあなあ!一君、千鶴のこと名前で呼んでみてよ」

「俺にはそんなことは出来ぬ…」

「えー、一君いつまでも千鶴のこと雪村なんて呼んでてさー!」

「そうだよ、一君千鶴ちゃんのこといつまで雪村なんて呼んでんのさ。」

「総司まで何を言うか。だいたい雪村は雪村だろう」

「はあ、一君そんなんだからいけないんだよ」

「何がだ」

「僕知ってるよー、実は一君千鶴ちゃんのこと好きなんでしょ?」

「なっ!」

「あ!一君千鶴のこと好きなんだー!駄目だよー!」

「好きでは、ない」

「あはは、一君てば嘘が下手だよね。顔が赤いよ?」

「赤くなんかない」

「一君かわいいー!でも俺も千鶴の事好きだから一君には譲らないよ」

「何言ってんの平助。僕も千鶴ちゃんのこと好きですー」

「ええー、俺のが好きだもんー」

「お子様はお呼びじゃないって」

「いや、千鶴と同い年だから!寧ろ総司は年上じゃん。千鶴は同年代が好きなんだよ」

「そんなこと言ってないよ、千鶴ちゃんは。ねえ、一君?」

「何故俺にふる。…ま、まあ千鶴は年上の方が好きだろうな」

「一君なんで年上強調してるの?やっぱり千鶴ちゃんのこと好きでしょ?」

「いや俺はそんなことは、ない」

「素直じゃないねえ、一君はさ。ま頑張って千鶴ちゃんって呼んであげなよね」

呼びかた
(ち、ちづ…雪村)
(なんですか斎藤さん)
(あーあ、一君のいくじなし)
(…)

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