「あの、沖田くん」

「なに、千鶴」

雪村千鶴。今僕に話しかけてきた男の子は僕の大好きな人。
出会ったのは去年の入学式。初めて僕に話しかけてくれた子だ。人見知りな方ではないけれど、自分から人と関わろうとしないし、そういうのは面倒だから嫌いだった。自分で言うのもなんだけど、顔がいいだけで寄ってくる女の子も好きじゃない。だから最初は千鶴もそんな女の子の一人かなって思って顔を上げたんだけど。だって声が男の子らしくないんだもの。

「今日放課後空いてますか?」

「なんで?別に大丈夫だけど…」

「良かったです!実は…」

平助から誕生日をもらってしまったからお返ししたい。千鶴はそう言っていた。平助っていうのは千鶴の幼馴染。僕の後輩で結構仲良し。でもそれも今日までかもね。

「なんで僕に頼むの?」

「えっあの、毎年私が選んだものしかあげてなかったから…。今年は平助くんも高校生だから、いつもと違うものあげたいなあって…ご迷惑でしたらすみません!」

「ん、迷惑じゃないけどなんていうか…」


20130401
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