「手塚…私、」
「何だ」
「手塚が卒業しても泣かないよ!」
「は?」
「大丈夫!泣かないから安心して卒業して!」
「意味が分からないんだが」
「だーかーらー、私は!手塚が!卒業しても!泣かない!」
「ふむ、つまり俺が卒業するのにお前は卒業しないと…。中学生なのに留年か?はて、青学には留年制度なんてあっただろうか。俺の記憶にはないのだがな。どうなのだろうか」
「さあ、ないと思うけど?高校はあるだろうけど」
「…じゃあ、何故お前は卒業しないんだ?」
「なんでって。手塚のが一歳私より年上だから先でし「ついに馬鹿を通り越したか」
「馬鹿ってなに!私頭いいよ!学年でも結構いい線いってるよ」
「ほう、じゃあ学年何位だ?」
「89位かな」
「俺は一桁だが」
「手塚と比べないでくれる?それより、」
「ああ、卒業がどうとかのやつか…」
「うんそう!私泣かないから!高校で待ってて!」
「…一つ言っていいか。俺は三年だが、お前も…三年だ」
「は?…あっ!うん…そうだね…。手塚が老け顔だからつい年上かと思って…」
「ほう?」
「なーんて、全部嘘ー!」
「最初の方は本気だったな。俺には分かるぞ、お前とはこの一週間口きかない」
「えっ!ごめん!ごめんてば!」
「嫌だ」
20110129
手塚だったらいつかは間違えられるんじゃないかな、と。
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