「兄ちゃん!!行っちゃ嫌アル!!マミーと神那だって…」
「神楽、留守番頼むよ」
兄、神威はそれだけ言うと去って行った
「…兄ちゃん」
神楽は兄の姿が見えなくなるまでずっと見つめていた
「っ…う、グズッ…兄ちゃ、なんで?」
「神楽、泣いちゃ駄目」
神楽が振り向くとそこには双子の妹である神那の姿があった
「でも、神那っ」
「大丈夫、神楽とマムは私が守る」
「わ、私の方がお姉ちゃんだから私が二人を守るネ!!
…でも、どうして神那も一緒に兄ちゃんを止めてくれなかったアルカ?」
「それは、…マムの具合が悪くなっちゃって、外に出てみたらもう神楽しかいなくて」
咄嗟についた嘘
神楽はそれを疑いもし無かった
その事が私の胸をチクリと痛めた
「本当アルカ!?マミーは大丈夫ネ?!」
「うん、今は大分落ち着いて眠ってるヨ」
私の言葉に神楽はホッと肩を下ろした
私は兄さんが出ていく前に言った言葉が頭から離れないでいた
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