×
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -

あれからどれ位経ったのだろうか




漸くダディが帰って来た





話しによるとどうやらえいりあんばすたーになったらしい




でも家にいる日はそんなに長くはない




数日経ったらまた何処かの星へと旅立つ




そんな生活が何年も続いた




私も神楽も12歳になった





「ゴホッゴホッ…!」




「マム、大丈夫?」




「ゴホッ…えぇ、大丈夫よ」




最近マムの様態が悪化してきている




今ではもう以前の面影も無くなりすっかり痩せ細ってしまった





「マミー、お水とお薬持って来たアル!」




「ありがとう、神楽」




頭を撫でられ神楽は嬉しそうに目を細めた




「またなにか用があったら言ってネ!」





「えぇ」




神楽はそう言って部屋からパタパタと出て行った



「…じゃあ、私も自分の部屋に行くね。用があったら呼んで?」




人がいてはゆっくり出来ないだろうと部屋を出ていこうとした





「…神那」





「ん?」





声を掛けられ振り返る




「神那、大事な話しがあるの」





「どうしたの?」





再びマムの布団の傍に腰を下ろした





顔を覗く様に聞き返す





大事な話しと言っているが一体なんだろうか




マムの表情は真剣そのものだ





「…神那には、話しておかないといけない事があるの」





「……?」





「ごめんなさい、私はもう、長くは無いみたいだから…」




マムの言葉に咄嗟に反応出来なかった





「そ、そんなこと無いよ!きっと良くなるよ!」




マムはただ微笑むだけだ




そしてマムは続ける






prev next