放課後になり、約束した通り紫原と一緒に男子バスケ部の練習場でる第一体育館へ向かう
「やっぱり1年生いっぱいいるねぇ…」
体育館へ近くに連れて人が増えていく
いつもの様に紫原の腕の中にいる千代子は体育館の入口を眺めて言った
帝光中はやはりバスケ部強豪校で有名なだけあって部員数も桁違いのようだ
体育館も4つもあるとは力の入れ具合が違う
こんなに沢山の部員が集まっても、スタメンになれるのはほんの人握りだけだ
「あっくんなら直ぐにスタメンに入れそうだねぇ」
「うーん…たぶん?」
「だってあっくんはみんなよりおっきいし、私と違って手も足も長いからすぐだよ!」
「俺はちょこちんみたいにちっこい方が好きー」
「もー…」
なんだか話があまり噛み合っていないが、千代子が気にする様子は無い
「あ、着いたねぇ」
体育館の入口付近にはもう部員を募集しているらしく、仮入部の手続きをしている
入部希望者とマネージャー希望者で分かれていた
「よっと…」
千代子は紫原の腕から降りた
「部員希望者とマネージャー希望者は分かれるみたい…あっくんはむこうで私はあっちみたい」
紫原は千代子が腕から降りた事に少しむくれていた
それに気がついた千代子
「もー、あっくん。また直ぐに会えるんだから!私が先に終わったら待ってるから、あっくんもちゃんと私が終わるまで待っててね?」
「うん…」
別れ際に紫原の片手を両手でギュッと握ってから別々の入口へ向った
部員を希望している人も多いが、マネージャー希望も多いようで入口は沢山の人で埋まっていた
「うーん…」
千代子はあまりの人の多さに思わず唸った
平均よりもこの低い身長
この人ごみに呑まれたら怪我だけで済むだろうか…
小さいことはあまり気にしていないが、こういった場合は非常に困る
誰か見知った人がいないかとまわりを見渡す
「ん?」
ふと目に止まったのは桃色のロングヘア
千代子の中では桃色の髪と言ったら1人しか思い浮かばない
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