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ルンルン気分で歌を歌いながら歩いて行く千代子




周りの生徒達はそんな千代子の姿を微笑ましそうに眺めていた





「しあわせはー歩いてこないー


だぁから歩いて行くんだねー



1日一歩、3日で三歩


さーんぽ進んで二歩さがるー



あたっ!」




歌詞の通りに二歩下がると後ろにいた誰かにぶつかってしまった




「ごめんなさい、大丈夫?」



振り向くと片手に猿の縫ぐるみを持った背の高い緑頭の男子生徒がいた



彼はぶつかられた事が嫌だったのか眉間に深い皺が寄っていた



そんな事を気にもとめないで千代子は彼の片手にある猿の縫ぐるみに釘付けだった



「その縫ぐるみ…
もしかしてあなた今日のおは朝占いみたの?」



千代子がそう言うと彼は目を見開いた



「おは朝を、見ているのか?」



「うん、たまに見るよー
今日は私1位だったんだー!
ラッキーアイテムは無かったから持って無いけどねー」



すると彼はポケットの中に手をいれて何かを探し始めた



そして手を握ったまま千代子の前に差し出した




「えっと…」



とりあえず手を広げてみたところコロンとこけしのキーホルダーが転がった



「わ!!これ、今日のラッキーアイテムだー」



「仕方が無いから貸してやるのだよ」




「え!良いの!?」




「貸すだけだ!いいか、明日になったら必ず返せ!」



「分かった!あなたの名前は?」




「…1組の緑間真太郎だ」




「うん、真ちゃんね!」




「なっ!!」




「私あだ名とか付けとかないと忘れちゃうからごめんねー


私は茶野千代子!
よろしくねぇ」



「…知ってる」



緑間の返答に首を傾げる千代子




「あれ、私真ちゃんと会ったことあったっけ?」




「俺はバスケ部に所属しているししかもこの前のテスト結果でも名前を見た」



「へぇ、私って案外有名人?」




「この俺が敵地に塩を送るとは…

いいか!次のテストで俺はお前に必ず勝つ!」



緑間はそれだけ言うと踵を返し歩いて行った




「明日のいつ返せば良いんだろ」



千代子がそう呟いた時にはもう緑間の姿は無かった



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