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「あれ?ちょこちゃんそれ新しいリボン?」
朝、登校してきたさつきが目敏く千代子のリボンを見て言った
「あ、コレねーあっくんが昨日プレゼントしてくれたの〜」
嬉しそうに指先で真新しいリボンを弄りながら話す千代子
「へぇ…むっくんが」
紫色のリボンを見て納得したように呟いたさつき
「そうなんだよねぇ…昨日急に部活終わった後に買い物に行く事になってさぁ
まさか私にプレゼントくれるなんて思ってなかったから嬉しくって」
「ふふ…ごちそうさまです」
千代子の惚気話にも嫌な顔一つしない
それどころか自分の事のように喜んでくれるさつきに人の良さがにじみ出ている
「そう言えば千代子ちゃんっていつも髪型可愛いけど自分でしてるの?」
今日の千代子の髪型は頭の上でお団子にしている
「ううん…毎朝あっくんが結ってくれるの
そもそも髪伸ばしてるのはあっくんが髪の毛長い方が好きだからなんだよねぇ」
「えぇ!?そうなの!?」
意外な新事実にさつきは目を丸くさせた
「むっくんが髪の毛してくれるのにもびっくりしたけど…
むっくんって器用だったんだ」
関心しながら呟くさつきに千代子は笑いながら答えた
「器用だよー
身体が大きいからガサツだって思われるみたいだけど私よりも手先は器用なんだよねぇ…
私も見習わないと」
「うんうん」
千代子の言葉にコクコクと頷くさつき
話が丁度一区切りしたところでSHRが始まる予鈴がなった
「じゃあ、また後でね」
「うん」
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