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「#幼馴染」のBL小説を読む
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赤司side



茶野の事を知ったのは同じクラスの紫原の話を聞いたからだった



紫原が惚気のようなものをよく話すのが耳に残りあの我が儘な紫原がこうも懐く様子をみてどんな人物なのかが気になった



彼女が男子バスケ部マネージャーになっている事を聞いたため会うチャンスは幾らでもあるだろう




俺は今、担任に呼ばれ職員室に向かっている所だった




「ん?…あれは」




不意に視界に入った平均よりも低い身長に明るい茶髪
紫原が言っていた彼女の特徴を見てすぐに彼女が茶野だと分かった



フラフラとした足取りで歩いている彼女を不審に思って近づくとノートを運んでいる様だった



俺は茶野の横に立ちノートを半分以上取った




「っ!?」




茶野は驚いた様にこっちを向いた


初めて正面から見た彼女の顔はまるで西洋人形のように整っていた




「手伝おう。職員室まで運ぶんだろ?」



「え、あ…うん。そうだけど…

わざわざ手伝ってもわらなくても」



躊躇う彼女に俺は続けた




「俺も職員室に用事があるから別に気にしなくてもいい」




「それじゃあお願いしょっかなぁ…私は茶野千代子 貴方は?」




「俺は赤司征十郎だ」



彼女はやはり、俺の名前を知らなかった様だった

茶野は何か考えているのか黙って隣を歩いている




「紫原に聞いた通りの人物だな」



「あっくんに?」



「ああ、興味の無い人の名前は覚え無いと
あだ名を思い出したって事は俺に興味があるって事か?」



「うん、あっくんが人の名前を出すなんて珍しかったから」



「そうか」



「もしかして、赤ちんって呼ばれるのあんまり好きじゃないの?」



…まぁ、そんなあだ名で呼ばれて嬉しい訳がない



俺の眉間にシワが寄るのを見て彼女はまた考え始めた



「ねぇ!じゃあ私は征君って呼んでも良い??私あだ名じゃないと人の名前覚えられないから」



なんだ、そのあだ名は…



まぁ紫原よりは幾分かマシになっただろう



「好きにすれば良い」




「征君」




「何だ」



「これからあっくん共々よろしくねー」



「…ああ」




茶野千代子



なかなか興味深い人物だな




赤司side end

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