×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -
2

紫原とそんな話をしながら帰ったのが2日前




千代子は今日日直の為担任に提出課題を職員室まで運ぶ様に頼まれていた




意外とかさ張る課題を運んでいると抱えている課題の量が急に3分の1になった




「っ!?」



何だと思い横を見上げると赤髪の男子生徒が千代子の課題を持って立っていた




「手伝おう。職員室まで運ぶんだろ?」



「え、あ…うん。そうだけど…」



わざわざ手伝ってもわらなくても




そう続けて言うと




「俺も職員室に用事があるから別に気にしなくてもいい」




それならば、と折角なので手伝って貰う事にした



「私は茶野千代子
貴方は?」



「俺は赤司征十郎だ」



ん?



何処かで聞いた事ある様な…



それもつい最近だったはず



赤司、赤司…



そこでやっと思い出した



「あぁ!!赤ちん!!」



千代子がそう言うと彼は若干眉を寄せた




「紫原に聞いた通りの人物だな」



「あっくんに?」



「ああ、興味の無い人の名前は覚え無いと
あだ名を思い出したって事は俺に興味があるって事か?」



「うん、あっくんが人の名前を出すなんて珍しかったから」



彼はそうか、とだけ言って前を向いて歩き出した



「もしかして、赤ちんって呼ばれるのあんまり好きじゃないの?」



何も言わないけど、きっとそうなんだろう


それならば他のあだ名を考えて無ければと頭をフル回転させる



「(あっくんだと被っちゃうし、あっちゃんは女の子みたいだし…
いっそ下の名前?じゃあ征君?あ、良いかも!!)


ねぇ!じゃあ私は征君って呼んでも良い??私あだ名じゃないと人の名前覚えられないから」



彼にそう問うと



「好きにすれば良い」




という事はどうやらOKみたいだ




「征君」



「何だ」



「これからあっくん共々よろしくねー」



「…ああ」




口調は厳しいけど、きっと優しいんだろう



これが千代子と赤司征十郎との出会い



[ prev next ]
Back to top