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「ちょこちーん」
後ろから聞こえた声に振り返る
「あっくん!!」
笑顔で紫原の元へ駆けていく千代子
紫原は先ほど千代子と話していた人物を見る
「あれ〜?峰ちん??」
「…紫原?」
2人とも顔を見合わせ首を傾げた
「なんで峰ちんがここにいるワケ〜?」
「いや、それはこっちのセリフだっつーの」
「だってちょこちん俺の彼女だし」
「はぁ!?マジかよ!!」
そう言って紫原と千代子の顔を見る青峰
「ちょこちん誑かしたら捻り潰すよ」
相変わらず感情が読み取りにくい表情をしているため冗談なのか本心なのかがわからない
が、多分これはマジなのだろうと判断した青峰
「んなことしねーっつの」
「そうだよー
大ちゃんは私が転けてたたのを助けてくれたんだもん」
「え、転けたのちょこちん!
怪我してない?」
「うん、転けたっていうか尻餅ついちゃっただけだからへーき!」
ホっと安心したような表情を浮かべる紫原
その表情からどれだけ千代子のことを大事に思っているのかがわかる
「まあ、俺はこいつのこと誑かすつもりねーから」
そのまま踵を返し歩いていく背中に千代子は声を掛ける
「ありがとう!大ちゃん、これからよろしくねー!!」
青峰は振り返りじゃあな、と手を振ってまた歩き出した
「大ちゃんってさっちゃんと幼馴染なんだってー」
歩いていく背中を見ながら千代子が言った言葉をふーん、と紫原は興味なさげに呟くだけだった
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