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若干気分を害したが千代子の笑みは相変わらず崩れていない




まぁ、ああ言った子は珍しくもない


女というものは噂が大好物だし


だけど千代子はあんな風にさつきが悪く言われるのは許せなかった



困っていた時に助けてくれたさつきが悪い人な訳が無い



「あんな根も葉も無い噂信じる人がいるんだ…」



顔を上げると見慣れた桃色



その後姿に声を掛ける



「さっちゃん!!」




「ちょこちゃん!!」



千代子の声に気が付き笑顔で振り返ったさつき


「一緒に行こ!」



「うん!良かったぁ…ちょこちゃんを待ってて」



「どうして?」



さつきの言葉が引っかかった


苦笑いをしながらさつきは続けた



「…私、あんまり友達多くないから」




さつきの言葉に唯が言っていたのを思い出した



『男好き』



やはり噂を信じる人が多いらしい



千代子はさつきの手を握った



「ちょこちゃん?」



「じゃあ、私だけがさっちゃんの良いところをいっぱい知ってるって事だねぇ」



「…え?」



ポカンとするさつきにさらに続ける




「さっちゃんは私の独り占め!!こんなにいい子なのに知らないなんて勿体無い」



「…ちょこちゃん、ありがとう」




さつきの瞳には薄らと涙が浮かんでいた




「さぁ、先輩達の所にレッツゴー!」




「うん!」







体育館の中に入るともう既に仮入部の人達が沢山いた




「やっぱりいっぱいいるんだねぇ」



千代子の呟きに隣にいたさつきが頷いた



「そうみたい」



その中にどれだけの人が本気でマネージャーを希望しているのだろうか




先日の見学で見た感じからするとこの半分以上が興味本位というところだろう





先輩マネージャーの話を聞いて仕事内容を確認する



やはり部員数が多いだけあって仕事量も半端じゃない



ペアになって仕事を行い



そのペアの仕事の様子を先輩が見て判断するらしい




勿論千代子はさつきとペア




千代子達はまずドリンク作り




その後部員達が使ったタオルの洗濯




この二つを任された





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