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いつの間にか何回か個人戦が終わっていて次は爆豪とお茶子の番だった

お茶子の個性は手に触れた物を浮かせる無重力
爆豪に触れることが出来たなら場外させて勝利となる
だが相手はあの爆豪
個性の使い方のセンスは抜群と前に誰かが話していた

単純で挑発に乗りやすい性格ではあるが個性を暴走させたり、その時の感情で明らかにおかしくなるなどは見た事がない
あの爆発の威力の調整は私が思っているよりも難しいものなのだろう

女子相手だろうと手加減しない姿に周りはドン引き
会場から野次が飛んでくる

手加減されて負けるってどうなんだろうか

真剣勝負に全力を出されずに負けるのって多分嫌な気持ちになる人がほとんどだろう

私だったらどう思うか、なんてそんなことは分からない

だけどきっとそれはお茶子にとって嬉しい事では無いと言うのはここ最近の彼女を見ていて分かる
自分のプライドを掛けた闘いに真っ向から手加減なしに挑まれる方が対等だろう

どんな相手であっても油断しないという事はきっと彼なりの誠意なのかもしれない

緑谷と轟が話していたところに遭遇した時も爆豪は黙っていた
勿論、簡単に口が挟める様な内容では無かったが、それを敢えて騒ぎ立てることだったり自分の憶測でものを言ったりすることは無かった

私とあった事だってきっと言いふらしたりはしてない

皆は爆豪の事をあまりよく言わない
でも、私はそんなに悪いようには思えなかった
爆豪の普段の様子を見るとどうしても悪い面が目立つが決して悪い所ばかりではないと思った

相澤さんは山田さんからマイクを奪って爆豪を非難したプロヒーローに指摘をする

相澤さんの指摘は最もだと思った
何を持ってしてヒーローらしくないというのか
いたぶってるように見えるのだろうか

そもそもヒーローらしいとはなんなのか

自分が常識では無いのだから、判断基準は人それぞれだとは思う
周りと違うことが異端だと決めつけ悪とする
極論ではあるがいいことをするのがヒーローで悪いことをするのが敵

じゃあ、悪行をした人は悪人で善行をした人は善人だと言うのなら
知らぬうちに悪行に手を染めていた者は否応なしに悪人なのか
善悪の判断は周囲の大人達によって大体は教えられる

無知でいる事は、知ろうとしなかったことは悪ではないのか


一般的に言うのなら、私は悪人で間違いないのに
ここにいて、善人であるクラスメイト達の中でヒーローを目指そうとしている私は一体何になるんだろうか




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