目が覚めると知らない天井だった
どこだ、ここは
電話に出た後、確か眠ったはずだ
キョロキョロと視線を動かす
病院?
痛かった太腿はもうどうもない
だるさはあるがそれだけだった
仕切られていたカーテンがシャッと空けられた
そこに居たのはリカバリーガールだった
という事はここは保健室か
なぜ自分が保健室に居るのかは分からない
「マイクが連れて来たんだよ」
「…?プレゼントマイクがですか」
「イレイザーに頼まれてね、すごい血相だったよ」
そうだったのか、山田さんが連れてきたのか
「何ですぐ言わなかった」
怪我の事だろうか
「大したこと無かったからです」
「熱が出るほどの痛みだよ、感染症にもなっていた」
「そうなんですか」
怪我の度合いは分からない
あの時は痛みがあった方が良かったのだ
「普通なら立っているのがやっとさね」
「それなら私はふつうじゃないんでしょうね。怪我も私自身あまり負ったことが無かったので分からなかったんです」
多分これは咎められているのだろう
リカバリーガールは私をじっと見るとため息をついた
「放課後まで休んでいくといい」
「はぁ、ありがとうございます」
椅子をコロコロと動かしてデスクに向かっている
話は終わったようだった
なんで自分の事じゃないのに怒っているんだろう
自分がなにかされた訳でもないのに
変なの
「リカバリーガール」
「なんだい」
「なんで怒ってるんですか」
「私ゃ自分のことを大事にしないやつは嫌いだよ」
「あなたが関係ないのにですか?」
「少なくとも私はそうさね」
「わからない」
私と話す大人はみんな困った顔をする
へんなの
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