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好きな物はできなかった
でも嫌いなものはできた

やさしいひとはきらい

自己犠牲をなんとも思わないのだ

相澤さんは今集中治療室にいるらしい
まだ意識も戻ってない

私は家に籠っていた
昨日太腿に刺した傷口がジクジク痛んでいる
そう言えばこんな怪我をしたのは初めてかもしれない

ベッドに横になって見慣れた天井をぼーっと見る
昨日、カメラ爆発させちゃったけど修理代とか請求されるんだろうか

それとも個性の制御ができなかったってまた監禁みたいな事されるのか
それも良いかもしれない

身体が空腹を訴える
でも何かを食べたいとも思わない

身体がだるい
何もしたくない

そのまま目を閉じ布団に包まる




▲▼



スマホの音で目が覚めた
頭がぼーっとして動けないでいると音が止まった
と思ったらすぐにまた鳴った
やっとの思いで電話に出る
スマホを持てなくてスピーカーにする

『桧山お前今どこにいる』

「いま…」

ここは

「いえ」

この声は、誰だっけ
相澤さんだ

あれ、でも昨日…大怪我

「あいざわ、さん?」

『お前、』

いきてる
相澤さんは、生きてる
しんでない

「いきてる」

頭が重くて、身体が動かない
でも、これは夢じゃない
良かった

「よか、た」

また眠たくなってきた
よかったなぁ

やさしいひとはきらいなのにへんなの






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