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空気を読むという言葉が苦手だった

見えないものをどうやってみろというのだ
無理な話だと思わないか

そもそも私は空気を読まないといけないほど人間関係の構築まで至っていない

だが、なんとなくだけど
意味はわかるようになったような気がする
相手が不快にならないようにすること
時には相手に同調する
なんの意味があるのかは分からないけど

「ねぇ、かなめはさーどんな人がタイプなの?? 」

雄英に入学してから私の個性を把握しているはずだが気にもとめずに何度も話しかけて来るクラスメイト
ここで無愛想にすることはきっと彼女達の雰囲気を壊し空気が読めない人となるのだろう

「そうだね。私は、よくわかんないなぁ。2次元なら沢山いるんだけど」

「でた!またそれ!!」

「んーでもほんとにそうだしさ」

「かっこいいって思う男の人居ないの?理想のタイプは??」

芦戸三奈は誰に対しても多分こうなのだろう
別に嫌だとは思わないけど困る

「好きになった人がタイプってことでー」

「もー!すぐそうやって誤魔化すんだもん!!」

「誤魔化してないよ。ほんとにわかんないんだもん」

私の本音だ
嘘はない
これ以上は答えることは無い

ゲームを止めていた手を再開させる
以前耳郎から頭を叩かれたのでイヤホンを装着する

耳元にダイレクトに響くイケメンボイスに酔いしれる
素敵だ

空気を読むことは難しいのだ
でもこのクラスでは空気が読めない位ではなんともないらしく反応の乏しい私に飽きもせずに話しかけて来る

「空気を読む、ねぇ」

難しい話だ





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