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放課後の教室でぼーっと自席で座りながら考える
ヒーロー科は部活に入ってる人はいない
授業が終わったら基本的にクラスメイト達はすぐに帰る為、今教室に残っているのは私だけだった

思い出すのは今日の朝の出来事だった

爆豪勝己という男は見た目に反して意外と真面目で勉強も出来る
だからという訳ではないけれど朝も早くに登校している様だった

私は相澤さんと同居してるから必然的に一緒に登校するため教室に1番朝早く来るのは私だった

そしてその数十分後に来るのが決まって爆豪だった

いつもならお互い会話をすることは無い
共通の話題もないし、そもそもお互い関心なんて持ってない
爆豪はスマホを弄って、私はゲームをする
それがいつもの朝の様子だった

でも、この時はいつもと違った

普段なら私から話しかけるなんて事は全くと言っていい程無い
けれどどうしても話しかけなければいけない用事があったのだ
授業での課題をグループワークでまとめなくてはならなかった為、仕方無しに話しかけた

「クソうぜぇからやめろ」

そしたら突然の暴言

女子にクソうぜぇとか言うか?
ほかの女子だったら多分キレてるんじゃないだろうか

いや、別に暴言自体はいつもだから私は別に気にしなかったけど
話しかけただけでそんなこと言う?

だけどその言葉を聞いた瞬間、私は時間が止まった様に感じた
貼り付けていた笑顔をそのまま私は固まった

「は?」

「その顔」

「その顔って顔面を整形でもしろと?」

「はっ!整形したってそのわざとらしい顔は変わんねぇだろうよ!」

取り敢えず自分の顔についての事だと思ったのに、嘲笑うかのようにまた暴言を吐き散らした
そこで爆豪は顔そのものでは無くて表情の事を言ってるという事に気が付いた
じっと真っ赤な瞳に見つめられ、と言うよりは睨みつけられ私は口を開く

「私、そんなに変な顔してる?」

「自覚ねぇんか」

「不自然では無いと思ってた」

少なくとも今の今まで誰かに指摘されたことは無かった

爆豪はもう私に興味を無くしたのか、視線をスマホに向けていた


それから特に会話は無かった
私から話しかけない限り、爆豪が話しかけてくることは無いから当たり前と言えば当たり前なのだが

爆豪が切島達に話すとは思えなかったけど何となく今日は爆豪を目で追うことが多かったように思えた


うぜぇからやめろ

でも、私がこれを止めたら
私は、何になるんだろうか

放課後のオレンジ色に染った教室にポツンと1人残っている私がこのまま夜に熔けて消えてしまえば良いのに、とそう思ってしまった



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