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相澤さんは先生だけど、私の保護者で
公私混同はしない人だ

でも、家では学校とは違う
具体的にどう違うかと言われるとわからない
けど、私を見る目が違う気がする

「何となくなんだけどそう思うんです、先生」

今日は雄英の応接室でオールマイトさんと話をしていた

出されたお茶をずずっと啜る
苦味はあるが少し甘みも感じる

「うーん、私は相澤君と仲がいいわけでは無いが、彼の気持ちは分かる気がするよ」

「…?」

「君は危なっかしくて放っておけない」

「確かに私は危険だと思いますけど」

監視対象でもあるわけだし

「そういう意味では無いんだが…」

オールマイトは何故か頬を掻いていた
私の言葉は間違えてないはずなのになんでそんな顔をするのか


「私と話す人たちっていつもそんな顔をする」

「そんな顔?」

「困ったような顔」


ここに来てからその表情をどれだけ見たか
相澤さんを初めとして、リカバリーガール、山田さん、校長先生、瀬呂、切島、耳郎そしてオールマイト

「相澤さんは違うって言ってたけど、私はやっぱり自分の事を欠陥品だって思います」

「そんな事はない、君は今学んでいる最中だ。焦る必要はない、ゆっくりでいいんだ」

無骨な大きな手が私の頭を撫でる
メディアで見るあの姿では無いけれど、この大きな手は同じでとても温かい


私は、この温もりを享受していいんだろうか
なんで、みんな優しいんだろう
なんで、こんな目で私を見るの?

「私達は未来の若者たちを育てるためにここに居る。けれどね、桧山少女…君はもっと周りに甘えていいんだ」

「甘えるって分かんない」

「こうやって色々君の事を話してくれた事が私は嬉しいよ」

「どうして?」

なんでこんな話を聞くことで嬉しくなるの?

「君が自分自身の事を知ろうとしている事もそうだし、私の事を頼ってくれた。それが嬉しいんだよ」

「…分からない」

「今はそれでいい。相澤君やプレゼント・マイクにも相談していい。彼等は立派な大人であり、ヒーローだからね」 

「…はい」

オールマイトはニッコリと笑みを浮かべている
私は何となく顔を俯かせた

「先生…あのね」

私、頭を撫でられるの何でかわからないけどすごく落ち着く

そう伝えるとオールマイトは再び頭を撫でた

胸の奥が擽ったい



(今度それを相澤君に伝えるといい)
(それ?)
(頭を撫でられるのが落ち着くという話だよ)
(…どうしてですか?)
(きっと喜ぶ)
(喜びますかね…)





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