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私はレクレーションには参加することなく木陰で休むことにした
見せ場を作りたいということもないし
みんなとワイワイ騒ぐのもあまり好きではない

自分と違う事がまざまざと見せつけられているようで、自分がここにいてはいけないのではないかとそう思ってしまうのだ

気持ちの良い風が髪を撫でる
木漏れ日から太陽の光が少し眩しくて腕を顔に乗せて光を遮る

今、この場所には私しかいない

このままサボってしまいたい気持ちがあるけどA組の人達は放っておいてはくれないだろう
探しに来られるのも手間をかけてしまうし大人しく時間になったら戻らないといけない

私は何をしてるんだろう
どうしてここに居るんだろう

自分はこのまま、変わらないんじゃないだろうか

前に校長は私が雄英に入ることで変化があるかもしれないと言っていたが今現在私は特に変わったようには思えない

上辺だけの貼り付けた笑みを浮かべて、ゲームや本等で得た知識を使ってヘラヘラとしている私は多分周りには何も考えていないように思われているかもしれない

何か考えている訳でもないけれど、人付き合いを必要最低限とされていた私には何が正解なのか分からない

私の個性について色々聞いてくるクラスメイトでは無いことは幸いだとは思う

話したくないという訳では無いが一般的に考えると普通の人からすると話をされても困惑させてしまうだけだろう
それなら話す必要はない

私自身がどう思われようと構わないがそのせいで周りに影響してしまうのは本意ではない
A組の人達はきっといい人だから、私なんかの事で時間を取らせてしまうのは可哀想だ

皆はヒーローに、なんでなりたいんだろう
お金?
名声?
地位?
名誉?

それ以外に何かあるのだろうか

誰かに憧れている?
緑谷なんかは典型的なそれだ

オールマイトを尊敬し、憧れ、彼のようになりたいという思いが個性を使わずともわかる

憧れだけで体を酷使し、ボロボロになるまで戦う姿は正直見ていていい思いはしない
自己犠牲が過ぎる

個人的にはあまり関わりたくないタイプの人種だ
無条件に助けを求めている人に手を差し伸べるような人間は、私は嫌いだ

きっとヒーロー科以外の人もそれぞれ目標や思いがあって今ここにいるはずなのに、私だけがそうじゃない

私は、欠陥品だ

人間の持つ感情をどこかに置き忘れてしまった





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