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雄英体育祭当日
体操服に着替え控え室で待機

私はこの前新発売されたアドベンチャーゲームをしていた
今回のゲームは自分の選択肢で相手の生死を左右させるような内容だった
運命が、私の手の中にあるのだ
生かすも殺すも私次第という事だ

イヤホンを片耳にだけはめて携帯ゲーム機を操作する

人の生きる価値はどうやって決められるのだろうか
クソみたいな性格をした野郎であっても助けるべきなのか
それとも、みんなのことを優しく励ますヒロインポジにいる女の子は生かされて当然なのか?

ストーリーを進めて行くうちに分かるだろうか

プロローグを読み進めながらボタンを押していると何やら言い合いが聞こえてきた

ちらりとその場に視線をやると緑谷と轟が何やら話をしており切島が仲裁に入っている

切島は良い人だと思う
お人好し?熱血漢?
情に弱いタイプだろう

「…あんた、この雰囲気でよくゲームなんかしてられんね」

「うーん、でも私には関係ないことだしね」

耳郎の呆れた顔も見なれた
実際私には関係ない事だし

勝手にしてくれって感じだ

「ま、私の個性は戦闘向きではないし、あまり公にも出来ないだろうから、目立った行動はしないつもり。初戦から落ちるのはさすがにしないけどさ」

「へぇ、あんた以外にもやる気あるんだ」

「うーん、やる気とは違う様な気もするけど、まぁそんな感じって事で」

ゲームの電源を落としてロッカーにしまう
いつものヘラりとした笑みを浮かべる

やろうとすれば生徒全員を洗脳させることだって可能なのだ
そんなに多くの対象に個性をかけたことなんてないから代償が何であるのか分からないのが困るが

もちろんそんな事はしない
そんな事をしてしまったら私は多分また警察に連行されてしまうだろう

入場のアナウンスが入り会場へみんなで向かう
会場内にはたくさんの観客がいた
選手宣誓はヒーロー科の入試でトップだった爆豪が行うらしい

「選手宣誓ー、俺が1位になる」

せめて跳ねの良い踏み台になれや
とつけ加えていたが周りのブーイングが凄まじかった
爆豪らしいけれども

上を目指すものと私との差だった
目指すものがあるのはいい事だなと思った

私は、何になりたいんだろ

ぼーっとしているうちにミッドナイト先生が障害物競走についての説明をしていた
どうしよう、こんなに人が沢山いたら邪魔で通れない
個性、使いたくないし

そう思っていた時、空気がヒヤリとし始めた
これは、轟の個性がくる

申し訳ないが前にいる生徒の肩を借りさせてもらう
そのまま団子状態で動けなくなっている生徒の上を飛んで出口へと向かう

地面も氷漬けになっている
滑っていこうかな、スケートみたいに出来たらいいんだけど

体幹バランスも鍛えていたお陰なのか意外とスムーズに通過できた
今度相澤さんにお願いしてスケート場に連れて行ってもらおうかな
意外といい訓練になりそうな気がする

氷漬けの地面が終わったと思ったら今度はデカイロボットがいた
雄英、お金あるんだな
これ一体でどんだけ掛かってるんだろうか

周りがざわついている中で轟は止まることなく氷結を出してデカいロボを氷漬けにした
最早あいつの芸になっている

アイスマンって呼んでみようか

機械相手なら個性使ってもいいだろう
デカブツのカメラ部分に向けて視線を向ける
その瞬間思い切り爆破しボロボロと体が崩れた

まあ、倒さないと先に進めないし仕方ない
轟も壊してたし請求書は来ないはず

そのまま何事も無かったかのように人目につかないようにそそくさとその場から去る
目立つのは良くないと言われた
だから轟に実況のカメラが向いてる時に個性を使ったのだ

次の場所は綱渡りだった
梅雨ちゃんは得意なようでスイスイと綱渡りをしていってた
人が乗ってもぶら下がっても問題ないくらいの強度はある

じゃあぶら下がって行くか
こういう時爆豪とか瀬呂とかの個性だったら良いのにって思った

普段から筋トレしてて良かった
これくらいどうってことないわ
これなら普通に予選は通過出来るかも

後は地雷もどきを避けながらぼちぼちゴールに向かいますか

なんかよくわかんないけど氷の道が出来ていたからその後を滑るようにして進んでそのままゴール
予選は無事通過した
なんか緑谷が1位だったみたい、これは予想外だったなぁ

電子板を眺めながらぼーっとする
とりあえず予選突破は出来たらしい
因みに私は7位だった

日頃鍛えていた持久力が役立ったのだろうか




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