「皆は付き合いたいとか、結婚するとかどういう基準で選ぶ?」
女子メンツで集まった時、自分から恋愛話をしてみる事にした
「なに、どうしたの!かなめからそんなこと言ってくるなんて!」
三奈は嬉しそうにしている
一部の女子は少しソワソワしてたりする
「いや、皆の恋愛像を聞いて参考にしてみようと思って」
恋愛をしたいわけでも無いが、聞いてみることで何か分かることがあるかもしれない
「王道だけどやっぱり優しい人かなー」
「でも優しいって人それぞれ基準が違うよね」
「うーん、自分だけを見てくれる人とか!」
「?それじゃあ優しくなくてもいいの?」
「違うよ、優しくて自分をちゃんと見てくれる人!」
三奈はよく分からないことを言う
「で、でも私も優しい人が良いなぁ」
頬を少し染め三奈の言葉に小さくお茶子が賛同した
「自分と趣味が合うとか、気を遣わなくて良い奴がいいな」
耳郎がイヤホンジャックを弄りながら言った
「…趣味」
お互い共通の趣味があった方が会話も弾むだろうし、一緒の空間で苦痛を感じない方がいいという意見もわかる
「それは分かる」
周りの女子達もうんうんと頷いている
「かなめちゃんは??」
透が手をぶんぶんふりながら聞いてきた
顔は見えないが多分興奮していそうだ
「優しくない人」
「「「え」」」
その場にいたみんなが同じ言葉を発した
ぽかんとした顔は少し面白い
「優しい人は嫌いなの。だから優しくない人がいい」
「な、なんで?DV男でもいいの??」
「いや、そうじゃないでしょ。優しくない人=DVするとは限らないし」
「優しい人、嫌いなの?」
「うん、きらい。自分以外の人を優先して、自己犠牲が当たり前のような人。お人好しとも言うのかも」
「……」
みんな私の話に黙って聞いてるだけだった
雰囲気を壊してしまったかもしれない
「まぁ、これは私の考えだから皆は気にしないで」
「恋愛シュミレーションゲームしてる癖に現実の恋愛には興味無いんだね」
耳郎がポツリと零した
「うーん、私正確に言うと恋愛ゲームが好きなわけじゃないんだよね」
「え?あんなにアオイちゃんって言ってるのに??」
「前に少し話したと思うけど私、選択肢1つで運命が変わるっていうのが好きなの。やり直しが何度でもできる所とか、人生とは違うこと、失敗してもやり直しが聞くところが好きなの」
私の言葉にみんな複雑そうな顔をしていた
「可愛いとは思うし、男キャラもイケボでいいと思う。でもそれだけで好きとはまた違うんだよね。非現実だからこそいいって言うか」
2次元にしか興味が無い訳では無いと思う
でも、私には分からない事ばかりで特に恋愛は分からないのだ
「あ、でも爆豪はいいと思う」
「はぁ??」
「だって、爆豪って現実主義だし下手に優しくしないし、自己犠牲とは無縁だと思うから。まぁ、確かに口は悪いけど意外と冷静だよね」
私の言葉にやっぱり皆はわからなそうにしていた
別にそれでもいいと思う
「優しくない人がいい、自分のことを1番に考えてくれる人がいい」
私はそういう人がいい
何かあった時、自分を犠牲にして傷つく姿を見るのは嫌だった
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