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『私、かなめのこと…好きかもしれない』

「うん。私もあおいちゃんのこと好き。でも私はかもじゃないよ」

『かなめ、この気持ち…ちゃんと教えて欲しい』

「嬉しい、私が手取り足取り教えてあげるからね」

うっとりとした甘い表情に微笑み返す
その瞬間後ろから思い切り頭をはたかれた

「いっ!?」

「あんたマジでいい加減にしてくんない!?馬鹿なの?馬鹿でしょ!」

「…ちょっと耳郎さんや、私とあおいちゃんの逢瀬を邪魔しないでくれない?」

「何が逢瀬だ!せめてイヤホン付けてくれない!?見ててイライラするんだけど」

「いや、私とあおいちゃんが仲良いのを嫉妬してんの?まぁ、このままいけばあおいちゃんの身も心も私のものっふべ!」

また叩かれた

「ゲームしてんのはまだいいけどセリフに真顔で返事すんのマジでやめて、怖いから」

「ゲーム?何言ってんの、あおいちゃんは目の前にいるでしょ??」

「いや、何その顔、馬鹿なの?」

「人のこと馬鹿馬鹿ってさー酷いよ耳郎ぅ…今まさにあおいちゃんとの初kissなのに」

「その無駄にいい発音も止めて」

「もー、耳郎たらそんなに私にかまって欲しいなら言ってよね」

「違うから!アンタの相手してると上鳴以上に疲れる」

「うーん、それは心外(笑)」

「え!?突然の俺!!?」

今までスマホを弄っていた上鳴が突然顔を上げて驚愕している
その顔笑えるわ

「でもさー、主人公は同じなのに選択肢ひとつで物語がこんなに違うなんて面白いよね。今私はあおいちゃんのものだけど、違う選択肢にしたら楓ちゃんが私の彼女になる訳でしょ?いや、まぁ私は例え楓ちゃんを選んでも心はあおいちゃんの物なんだけどさ」

「だからその真顔まじで止めて」

「わたしの最推しだから、あおいちゃんは」

あおいちゃんのキス顔をスクショしてゲーム機をスリープモードにする

「でも、ホントにそう思うんだよね」

「何が?」

選択肢が違うだけで運命は変わるって事だよ
そう伝えるが耳郎はよく分からないという顔をした
それを見て私はまた笑った



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