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「……あの、研磨??」
「…何」


いや、なにって…こっちが聞きたいんですけど…

今夜一緒にゲームをしようって約束してたから研磨の部屋に来たっていうのに部屋に来てみれば研磨はベッドで眠っていた


近くに寄って頭をペシペシと叩くといきなり腕を引っ張られいつの間にか研磨の腕の中に

そして今に至るワケなのだが…


「いや、どしたの」
「…別に」


さっきからずっとこの調子で全く会話が進展しない


どうしたもんかなぁ…
と研磨の腕の中で考えているとただ、と研磨が呟いた


「ん??」
「今日は疲れた」


と言って私の首筋に顔を埋めた



首筋に研磨の髪の毛が当たってくすぐったい


「ちょ、研磨…くすぐったい」
「…ん」


私がそう言っても聞く気がないみたいで動く気配が無い


「莉津の匂いがする」
「え!?ちょ、ちょっと!研磨!?」


慌てる私を他所に研磨はくんくんと私の匂いを嗅ぎ出す研磨


「は、離れてッ」


背中を叩くけど研磨は一行に腕の力を弱める気はなくてむしろ強くなった
いつもはクロたちに囲まれてて力がなさそうに見えるけどやっぱり研磨も男なわけで…

女の私が男の研磨に力でかなうはずがない


「もう!…けんま」

一体なんの羞恥プレイだ

匂いを嗅がれる趣味なんて私には無い!




自分の匂いなんて普段嗅ぐことなんてないからわからないけどスッゴク恥ずかしい

そもそも私の匂いってなに!?
汗臭いとか!?
いやいや、お風呂入ったから汗臭くはないはず


「研磨、私汗臭い?」
「…莉津の匂いは落ち着く」
「…??」


汗臭くはないってことだよね…?
っていうか落ち着く匂いってなに


「疲れてるときとか嗅ぎたくなる」
「いやいや!!やめてよ!」


なんだそれは!恥ずかしすぎるでしょ!


「…なんで」


なんでって…


「恥ずかしいじゃん!」


私がそう言うと研磨は腕の力を緩めて私の顔を見た


「莉津、顔真っ赤…」
「け、研磨のせいだし!!」


「わ、私の匂いってどんなに匂いなの?」


研磨の胸に顔を埋めながら聞いてみた


「…なんか、甘い匂いがする」
「甘い…??」


自分の匂いを試しに嗅いでみるけどなんの匂いもしない


「自分じゃよくわかんないや」
「…そっか」


自分の匂いはわかんないけど研磨の匂いならわかるかも
そう思った私は研磨の匂いを嗅いでみた


「……莉津??」
「……石鹸の香りしかしない」


私の言葉に研磨はフッと笑って


「シャワーに入ったあとだからね」


と言った。

せっかく嗅いでやろうとしたのに…




(おい、莉津何やってんだ)
(ん、クロの匂いはどんな匂いがするのかと思って)
(はぁ!?)
(莉津、クロにやったらダメ)
(え?なんで??)
(よからぬことを考えるから)
(おい!研磨!)
(わかった!じゃあ研磨にする)
(…うん)
(……研磨の匂いはお日様の匂いだね!)
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