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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -




席替えをした。

俺の席は窓際のから2列目の一番後ろの席
一番後ろというそこそこいい席を引く事ができ、今月は授業中に寝れるかもなんて考えながら隣の方をむいた。
窓際の一番後ろなんて日当たりも最高だし先生からも見えにくい

そんないい席を引いた幸運の持ち主の顔を見たくなった。

隣の席に座って机に突っ伏しているのは佐倉井莉津ちゃんだ。
彼女は女の子だというのに俺に全く興味がない、という変わった子だ。
普段俺の隣になった子たちは決まって話しかけてきてアピールをする。

それなのに彼女は俺に見向きもせずに寝ている。
というか彼女は基本寝ている(俺が見ている限り)。
お昼ご飯も彼女の友達が呼びに来ないと食べずにずっと寝ている。

………勿論授業中も



そんな彼女と初めて話しをした
予想通りだと思うけど俺から話し掛けた

「ねぇ、佐倉井さん」

俺が声を掛けると彼女はとろんとした目をこっちにむけた。

「………?どちら様??」
「……は?」

流石の俺も驚いた。
まさか女の子の中に俺の名前を知らない子がいるなんて!!

「お、及川徹だよ!同じクラスの!」
「…そう、なんだ」

彼女は首を傾げながら呟いた

「…それで、その…………お、お………堀川君は、私に何の用?」
「及川!お い か わ だよ!!」

俺がそう言うと彼女はコクりと頷いたが、多分覚えてないと思う

「えっと、佐倉井さんは何で何時もそんなに眠そうなの?」

ずっと疑問に思っていた事を彼女に聞いてみた

「なんで?………………………なんでだろ」

ね、と俺に向かって逆に聞いてきた

「佐倉井さんて変わってるね」
「………うん、良く言われる」
「あ、いや!別に悪い意味じゃなくて!!」
「……??別に気にしてない」

俺が弁解しようとすると彼女は本当に気にしてない様に言った
その言葉に何故かホッとした。

「俺佐倉井ちゃんの事もっと知りたいかも」
「……本田君も、変わってるね」
「だから!お・い・か・わ!!」

彼女と仲良くなるのはまだまだ先みたいだ



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