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さっきから私の二の腕やらほっぺたやらをふにふにと触っては首を傾げる飛雄

こんなんでも一応私の彼氏だ

「ねぇ、飛雄…さっきからなにをやってるわけ??」

理由もなしにいきなり二の腕を掴まれ大人しくしていた私って凄いと思わない?

「いや…」
「いやって…なにがよ」
「及川さんが」
「徹??」

いきなり出てきた幼馴染みの名前に今度はこっちが首を傾げる番だ

「女子の二の腕とほっぺたの柔らかさは一緒なんだって言ってきたから」

…きっと

飛雄ちゃんはそんなことも知らないのー??
なんて言ってからかったんだろうな、徹のやつ

その様子がありありと想像出来て思わず苦笑いを浮かべる

だからさっきから眉間に皺を寄せながらふにふにしてたのか

はたから見たら凄く奇妙な光景だろうなぁ…
眉間に皺を寄せながら女子の二の腕と頬に触る男子とそれに無抵抗な女子の図
想像してみてちょっと笑えた

しかもそれ間違えてるから
徹のやつ、態と飛雄に嘘を吹き込んだな
相変わず変なところで飛雄に対抗心を燃やして…子供かよ

「飛雄君や」
「なんだよ」
「それ、間違いだよ」
「それってどれだ」
「徹が言ってた女子の二の腕とほっぺたの柔らかさが同じってやつ」
「っ!!!」

ピシッと固まってしまった飛雄
でも相変わず二の腕は掴まれたまま

「正解は…」

飛雄の耳に顔を近づけ囁く


二の腕と胸の柔らかさが同じなんだよ


そう言って耳から顔を離して飛雄の顔を見ると真っ赤に頬を染めて私を見ていた

追い討ちを掛ける様に更に言うと飛雄は顔を真っ赤にさせて叫んだ

「ばっ馬鹿野郎っ!!!このボケ!」
「あはははっ!冗談じゃないのに」
「さっさと帰るぞ!」
「はいはい」

真っ赤になった飛雄は新鮮で可愛かった


『なんなら試しに触ってみない?』


馬鹿な君も全部愛おしい

(莉津!早くしないと置いていくからなっ!)
(はいはい、今行きますよー)
(なにニヤニヤしてんだよ!)
(いや?飛雄が好きだなーって思って)
(っ!このボケっ)

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