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「#幼馴染」のBL小説を読む
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「くーにみん!!」

…俺はこの女が気に入らない


「くにみんってばー!」
「なに、及川」


そう、この及川莉津という女が…

苗字をきいてピンときたと思うがこいつは青城のだ男子バレー部の主将である及川さんの妹だ
こいつとは腐れ縁で幼稚園の頃からずっと同じだ


「及川じゃなくて莉津って呼んでって言ってるでしょ!
この前の数学の授業わからないところがあったから教えて欲しいなって思って」


ムッとして頬を膨らましたその顔をはさすがは及川さんと兄妹なだけあって様になっている
またか、と俺は小さくため息をつく


「俺じゃなくて金田一に頼めばいいだろ」
「だってくにみんといっぱい一緒にいたいもん!」
「授業中寝てる俺に聞くわけ??」
「??…だってくにみん私よりも成績いつもいいじゃん」
「………」


及川さんの成績は知らないけどこいつは確かに勉強はあまり得意じゃない
中の中から中の下辺りをいつもちょろちょろしている


「ね?いいでしょ??」


と机に頭を乗せて俺にお願いと首を傾げる
きっとこの表情を浮かべているこいつは自分が他人からどう見えているのかよくわかっているのだろう
なんてあざといやつなんだ
おれはこいつの頭を数学の教科書で強めに叩いた


「あいたッ、なにするのさーこんなに可愛くお願いしてるのにぃ」


…ほらな、わかった上での行動だ


「どこがわからないワケ?早くいいなよ」


俺がそう言うとこいつは表情をパアっと輝かせ前の席の椅子を引っ張り座った
調子のいいところもホント及川さんにそっくりだ



…気に入らない

でも、一番気に入らないのはこんな奴に頼られて嫌だと思わない俺自身だ




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今回は国見ちゃんです!
ただ国見ちゃんをくにみんと呼ばせて見たかった……(・∀・;)

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