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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -






「あれ…」


次の日、俺はいつものように佐倉井の方を見ないように気をつけて過ごしていた
放課後になり部活へ行こうとカバンを肩にかけた所で目に付いたのは佐倉井の机から覗くあるもの

これは確か昨日雑誌コーナーのところに置いてあった…

いや、でも…友達から借りたものだったり??
うーん、と一人で考えていた時…教室のドアがガタリと音を立てた
ビクリと肩を揺らし音がした方を見るとそこに居たのは佐倉井だった

「菅原くん?…」
「あ、佐倉井」
「どうかしたの?私の席で……あ!」

そこで何やら思い出したのか小走りでこっちにやって来た
そして机の中から覗く例の雑誌をぐっと中に入れた

「み、見えた??」
「あ…いや、うん。ごめん、なんか」
「い、いや!そんな、謝ることじゃないから!」

わたわたと顔を赤くさせて手を横に振る佐倉井は可愛い

「佐倉井ならこんなの読まなくても大丈夫だと思うけどな」
「えっ!?そ、そんな事ないよ!」
「いや、そんな事あるよ」
「…あ、ありがとう。でも、恥ずかしいから皆には内緒にしててね?」
「お、おう」

しーっとジェスチャーで人差し指を口元に持って行ってそう言った佐倉井

ドキンと胸が高なったと同時に好きなやつがいるんだと言うことにショックを受けた

でも、佐倉井は好きな人のために努力をする人なんだと分かって改めて好きになった
佐倉井が好きになる人なんだからきっととてもいい奴なんだろう
俺自身の胸は痛むけど、佐倉井の想いが報われたらいいと思った

「佐倉井、頑張れよ」
「っ!うん、ありがとう。菅原くんも部活頑張ってね」
「おー!じゃあ、また明日」
「うん、また明日ね」


これをきっかけに、佐倉井と少しでも話ができたらいいな、なんて思った
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