×
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -




放課後、気まぐれに立ち寄った本屋に彼女がいた
学校での事もあり若干気まずく(一方的に)帰ろうかと迷っていたら雑誌コーナーにいた彼女が1冊の雑誌を手に取りこっちへ向かってきた

どうしようかとワタワタしていたら彼女が視線を上げかっちりと目が合った
彼女は目をまんまるくさせ持っていた雑誌を思い出した様に後ろに隠した

「っ、す、菅原、くん、ど、どうしたの??こんな所で…」
「い、いや、暇だったから…本屋にでも行こうかなって…」
「あ、そ、そう…だよね、本屋だもん…本を買いに来たに決まってるよね、あ、あはは」
「お、おぅ…佐倉井も何か買うんだ」
「う、うん!雑誌をちょっと」

お互いに吃ってばっかりで傍から見たら何やってんだって思われそうだけどどうしようもない

「い、いいのあった?」
「え!?あ、う、うん!く、クラスの子が言ってた雑誌、見てみたいなって思って!」
「へぇ、そうなんだ」
「そ、そうなの!じゃ、じゃあ私はこれで!」
「え、あ、うん」

そそくさと帰っていく彼女に茫然としながら彼女の背中を見送った

「…変なの」

まぁそれは俺も同じか

やっぱり、彼女の前じゃいつも通りに出来ない
何となく彼女のいた雑誌コーナーの前に行くとひとつだけ目に止まったキャッチコピー

『好きな人に好きになってもらう方法!男がグッとくる仕草top10』

…こんな雑誌なんか売ってんのか

男が女性雑誌の前でずっと立ってるのも周囲から変な目で見られかねないのでオレはとっととその場から移動してマンガコーナーへ向かう


佐倉井はあんなの読まなくなってモテモテだから必要ないだろう

まぁ佐倉井があの雑誌を買うわけないか
買うとしたらその隣に置いてあった雑貨の特集とかだろうな

なんかああいう小物持ってたような気がするし

と、そこまて考えて自分でちょっと気持ち悪くなった


俺、佐倉井のこと見すぎじゃね?



その後、俺は漫画コーナーで新刊を購入しそそくさと家路に急いだのだった
prev next