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「#幼馴染」のBL小説を読む
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俺が知ってる君のこと



俺の斜め前の席に座っている彼女の名前は佐倉井莉津は男女にモテる
彼女の周りにはいつもたくさんの人が集まっていて賑やかだ

誰もが彼女の事を好きになる、勿論俺もそのうちの1人だった

話しかけることも出来ずいつも斜め後ろから彼女の様子を眺める事が俺の日課だった
こうやって改めて自分を客観視してみると若干ストーカーじみてる気もするけど目で追ってしまうんだから仕方ない

彼女を見ていて気づいたこと
それは恥ずかしくなると口元を隠して照れ笑いすること
考える時は無意識のうちに耳朶を触ること
眠たい時は俯いてひっそりと欠伸をすること

そのどれもが可愛くて仕方が無い
多分俺は彼女が大欠伸を目の前でしてもきっと同じ事を思うんだろうなって思った

日当たりのいい席は彼女の色素の薄い茶髪をキラキラと反射させ眩しさに目を細める
サラサラと真っ直ぐに伸びている髪の毛はきっと手入れを欠かさずにしているんだろうな

俺は自分で言うのもなんだけど男女気兼ねなく話せるタイプだと思う
女子に自分から話しかけるのも別になんの抵抗も無いし逆も然り
気軽に話しかけてくれる人たちが殆どだった
…自惚れじゃないと思う…多分

でも、俺が彼女に話しかけた事は一度もなくて彼女から俺に話しかけることも無かった

1度だけ話した事はあるけどそれは業務連絡で私用の話は全く無い
他の人なら話題なんて無くても普通に話せるのに彼女の事となると全く頭が働かなくなる

ホントに、俺ってこんなにヘタレだったっけ…
ヘタレなのは旭の専売特許だったはずなのに

ふと、斜め前の席に視線をやると彼女もこっちを見ていてオレは瞬時に視線を逸らした

なんだ!?
なんで今こっち見てたんだ!??
まさか俺の視線に気づかれたとか!?
菅原こっち見てたー気持ち悪い、とか思われたりした!?

うわっ…最悪だ
はぁ…とため息をついて俺は机に突っ伏した


今日はもう彼女の方を見れなさそうだ

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