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未だにドクドクと心臓が暴れている
落ち着け、落ち着くんだ莉津
背中に柔らかいものが当たっているのは、間違いなく…あれだ
私にとっては夢のまた夢のようなナイスバディが今、私の背中に…!

あれ、私変態??
なんか自分で自分が気持ち悪っ…

「…ねぇ」
「っ!ひゃい!!」
「ふふ、驚きすぎ」
「や、ちょっ…潔子ちゃん」

耳にダイレクトに息が掛かって擽ったい
身を攀じるも逃がさないとばかりにきつく抱きしめられる
なにこれ、なにこれ!?
ほんとに私の後ろにいるのは潔子ちゃん?!
私の勝手な妄想じゃないよね??

「私もね、莉津の事好き」
「えっ?」
「多分、好きになったのは私の方が先だよ」
「え??」
「莉津、さっきからえ?しか言ってない」
「だって、え、嘘…」
「嘘でこんな事言わない」
「でも、私…絶対拒絶されると思った…き、潔子ちゃんと、もう…仲良く出来ないって」

そこまで言ってポロリと涙が零れてきた
だって、本当に信じられないんだもの
皆の憧れの的である潔子ちゃんがこんな平凡な私の事を?

「ゆ、夢みたいで…私が、自分にとって、都合のいい勝手な妄想してるんじゃないかって」
「夢じゃないよ、こっち見て」

クルリと私を反転させお互い向き合う体制になる
背の高い潔子ちゃんは自然と私を見下ろす形になった
未だに泣き止まない私の頬に手を伸ばし涙を拭ってくれた
突然の事にぽかんとしていたらそのまま潔子ちゃんが近づいてきた

そしてそのまま唇に柔らかいものが触れる
目を瞑る事もなくそれはあっという間に終わった
コツんと額同士を合わせ見つめる

「夢じゃないでしょ?」
「え、き、潔子ちゃん?い、今の…」
「キス」

何ならもう一回する?
と色気ムンムンで言ってくる潔子ちゃんに私はただただ真っ赤になるしか無かった
恥ずかしくて、思わず視線を逸らしてしまった

「き、潔子ちゃんが、そんなに男前だったなんて、知らなかった」
「うん、私も知らなかった」

チラリと潔子ちゃんを見上げると少しだけ頬が赤く染まっていて、なんか嬉しくなった

「潔子ちゃん、好き」
「うん、私も好き」

お互いにクスクスと笑いあってそれからまた潔子ちゃんは私にキスをした

こんな、奇跡みたいなことって本当にあるんだね
嬉しくて、でも恥ずかしくて…
好きな男の子と両想いになるのさえ難しいのに女の子同士で、それも学校で皆の憧れの潔子ちゃんと私が両想いになれるだなんて
一体誰が想像出来たと思う?


「…莉津、私と付き合って欲しい」
「勿論、よろしくお願いします」


ぎゅっと抱きしめられた腕の中で
あぁ、これは本当に夢じゃないんだなって実感した
誰にも言えない関係だけど、それでも私は十分に満たされた気持ちになった


これは私と潔子ちゃんのないしょのはなし

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