×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -




俺の彼女は可愛い
それを知ってるのは多分俺だけだ

何時もは何事に対しても冷静で、相談事をすれば的確なアドバイスをくれる
時にはキツイ言葉を言う時もあるけど、それは相手を思ってのことだ

でも、俺の隣に居る時は気を許してくれているのか普段よりもよく笑いよく話す
クラスの女子達みたいに大口開けて笑う訳でもないが、口角を上げくすくすと笑うのだ

俺の他愛ない話しに耳を傾け感想を述べる
可愛い

「?どうしたの…?」
「あー、いや」

急に黙った俺に怪訝そうな表情を向ける莉津

「莉津は可愛いなって思って」
「ふふ、なぁにそれ」

本気で言っているのに冗談で流されてしまう
それでもいいと思う
想いを伝える時間はまだまだ沢山ある

「あーー、あの、さ」
「ん?」
「明日、何か用事ある?」
「明日?特に無いけどどうかした?」
「どっか行かね?」

決して及川から言われたからじゃない
駅前に新しくオープンしたケーキ屋が出来たのを思い出しただけだ

「いいの?」
「おー行きたいとこある?」
「駅前に新しくケーキ屋さんが出来たの知ってる?そこに行きたいな」
「………」
「貴大くん?」
「すげー」

目を丸くした俺を見て莉津は目の前で手を振っている
以心伝心とはまさにこの事か?

「俺もそこに行きたいって考えてた、なんで分かったの??」
「ふふ、わたしもいきたいって思ってたからだよ。でも、なんか嬉しいね」

少しだけ頬を桃色に染めて俯く莉津

「あー、もう、マジで何なの」
「え?」
「可愛すぎ」
「っ!」

俯いていた莉津の顔を上に向かせ柔らかな唇にかぶりつく
少しだけ抵抗を見せた莉津だったけど、諦めたのか俺の好きにさせてくれる

「……人に見られたらどうするの」
「いいじゃん、見せつけとけば」

何度目かのキスの後、莉津は咎めるような口調で言うが俺は素知らぬ顔

「……貴大くんは、甘いね」
「ん?」
「甘くて、ドロドロに溶かされちゃいそう」

俺の指に自分のものを絡めながら莉津はそう言った
絡められた指を握り直し俺は歩き出す

部活が忙しくて普段構ってやれずに寂しい思いをさせているのはわかっているつもりだ
だからこそ、会えた時はいつも以上に甘やかしてやりたいし俺も彼女と一緒に過ごしたい


「甘くて結構。これからもドロドロに甘やかすから観念してて」


甘いあまい俺達のお付き合いはまだまだ続くのだから、慣れてもらわなきゃ困る


prev next