「…遥音、ハンドクリームは??」
部活の後片付けをしている時、ふと私の手を見たきよちゃんが言った
「あー…今日の帰りに買って帰ろうかなーって思ってさ。昨日買って帰るの忘れちゃったんだよね。」
2.、3日つけなかっただけでもう指先が荒れてる
きよちゃんに水場の仕事をさせるなんて私の中じゃ完全にアウトなので出来る限りは私1人でやっている
だってきよちゃんの手に乾燥やひび割れが出来ちゃうなんて耐えられない!!
「私のあるから使う??」
きよちゃんがポケットの中から可愛らしい花柄のハンドクリームを取り出し私に差し出す
「え!いや、良いよ!今日の部活ももう終わりだし、帰りに買って帰るから後少しの辛抱だもん!!」
私がそう言うときよちゃんは不本意表情を浮かべハンドクリームをしまった
「きよちゃん、ありがとね」
その気持ちだけで十分嬉しい。
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帰り道、いつものように孝支先輩と一緒に歩く
この時間が私は堪らなく好きだ
「孝支先輩、今日もお疲れ様でした!」
「遥音こそマネ業お疲れ」
孝支先輩からの労いの言葉に私はブンブンと首を振る
「いやいや!私なんか部員の皆に比べたら全然ですから!!」
慌ててそう言うと孝支先輩はそんな事無いよ、とあの爽やかな笑顔で言ってくれた
その笑顔が見れただけで私の疲れは吹っ飛びますから!!!
勿論、そんな事口に出さず私も笑顔で返す
そして私に差し出された左手
「………?」
「手、繋がない?」
いつもなら嬉しくてすぐにでも自分の手を孝支先輩の手に重ねるんだけど…
「あー…えっと……。」
自分の手を見て思わず躊躇う
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